「平成」という時代を天気で表すと「どんより曇り空」な気がします。バブル崩壊と、2度の大震災によって、「失われた30年」とも呼ばれている時代。 評論家の宇野常寛さんによると、「インターネットだけが、平成を語れる」のだそう。NHK Eテレで2019年に放送された「平成ネット史(仮)」の中での発言です。このたび、番組の内容が『平成ネット史 永遠のベータ版』として書籍化されました。 ☆☆☆☆☆ 『平成ネット史 永遠のベータ版』 https://amzn.to/3yIkTp7 ☆☆☆☆☆ テレビ放送は見ていないのですが、番組タイトルにあった「(仮)」は、書籍化にあたって「永遠のベータ版」になりました。オタクやギークの遊び場だったインターネットは、一般大衆も触れることができるように。でも、永遠に「完成」することのない技術という意味が込められているのだそう。 いままさに、現在進行形で続いているインターネットの歴史。それを「自分たちで作り上げてきた」方たちが、番組の出演者でした。 ○出演者 ・堀江貴文 ・落合陽一 ・宇野常寛 ・ヒャダイン ・眞鍋かをり ・森永真弓 ・池田美優 この方以外にも、伝説のテキストサイト「侍魂」を運営していた健さん、「初音ミク」の生みの親・佐々木涉さんらのインタビューが掲載されています。 わたしがパソコンを手に入れたのは、たしか1998年くらいだったと思います。仕事でwindowsやmacを使うことはありましたが、「自分用」のパソコンが欲しくて、大枚をはたいて購入。ニフティに加入して、初めてネットに接続したときのことは、いまでも覚えています。 ピ~ヒョロロロロ~ピ~ ガションガションガション なにが起こったのか分からず、爆発するかと思った!! 今思うと、画面に「なにか」が表示されるまで、呆れるほど時間がかかっていましたよね。そんな牧歌的な時代はあっという間に過ぎ去り、ADSL、フレッツ光と、契約とパソコンを乗り換えながら現在に至っています。 「集合知」としての機能が期待される一方で、中川淳一郎さんの『ウェブはバカと暇人のもの』にあるように、他人のことが気になって仕方がない人たちを生んだのも、インターネットといえるかもしれません。 宇野さんは、20世紀が「映像に映った他人の物語」に感情移入する時代だったとすると、ネットが生まれた瞬間に、「自分の物語を語る方