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9月, 2021の投稿を表示しています

『活版印刷三日月堂 空色の冊子』#810

終わってしまった……という物語に、続きがあった驚きほど、うれしいものはない。 4巻で完結したと思っていた「活版印刷三日月堂」シリーズに、番外編が登場していました。『活版印刷三日月堂 空色の冊子』は、本編の主人公「弓子」へとバトンが渡る前の、過去の物語です。 ☆☆☆☆☆ 『活版印刷三日月堂 空色の冊子』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ 時代や主人公の違う、7つの短編が収められています。 最初は、本編のラストを飾った、西部劇コラムの書籍化のお話。このコラムを書いた映画ライターをはじめ、時間をみつけては活字を拾い、版を組んだ「弓子」のおじいちゃん。若くして妻をなくし、心もなくしてしまった「弓子」の父。「弓子」の母と親しかった旧友。 「三日月堂」に関わる人々が、順番に登場します。「活版印刷」と家族への想いが語られ、ひとつ、またひとつと、バトンが渡されていく。 生業としての「活版印刷」は、いまでは「アート」としてとらえられているようにも感じます。それがいいことなのか悪いことなのかは分からないけれど、「便利」や「効率」だけでは語れないのが、文化なのではないかしらね。 この週末は、東京駅近くにあるビルへと行ってきました。ほしおさなえさんの140字小説を、九ポ堂さんで活版印刷したカードが販売されているんです。活版印刷の、ちょっとだけデコボコした手触りが愛おしくなります。 ほしおさなえさんの140字小説×九ポ堂さんの活版印刷カード。かわいくて、手触りがよくて、ずっとスリスリしちゃう。 angersにあるもの、全部好みで、全部欲しかったよー😆 pic.twitter.com/HISUZBPMga — mame3@韓国映画ファン (@yymame33) September 26, 2021 いまは「好きなことを仕事に」と語られる時代ですが、作者のほしおさんは、「仕事をすることがすなわち生きることである」と語っています。 ほしおさなえさんインタビュー 「活版印刷三日月堂」ついに完結!|好書好日   映画が好きで、コラムを生きがいとしていたライターが、年と共に干されていったり、活版印刷という業界が先細りしていったり。東日本大震災という大きな損失が招いた、空虚な想いや、愛する人を失った絶望。 心で血を流しながら、それでも人は生きていくから。自分にしかできない「仕事」をみつけて、立ち上がる。

『類』#809

森鴎外の著作を読んだことがある人って、ぶっちゃけ、どのくらいいるのでしょうか。 わたしは『舞姫』と『ヰタ・セクスアリス』を読んだ程度。元軍医で、子どもたちにハイカラな名前を付けたとか、長女の茉莉が貧乏だった、くらいしか知りませんでした。 文学界の偉人の“威光”は、家族にどんな影響を与えたのか。 森鴎外の末子として生まれ、時代の浮き沈みに翻弄された「類」の生涯を綴った小説が、朝井まかてさんの『類』です。 偉大なる父をもつことの、幸福と不幸は隣り合わせなのだなと感じる物語でした。 ☆☆☆☆☆ 『類』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 森鴎外の末子として誕生した類は、優しい父と母の志げ、姉の茉莉、杏奴と千駄木の大きな屋敷で何不自由なく暮らしていた。大正11年に父が亡くなり、生活は一変。人々が去り、中傷が飛び交う中、自らの道を模索する類は、杏奴とともに画業を志しパリへ遊学を決める。帰国後に始まった戦争によって全財産を失った森家は、困窮していく……。 敬愛するパッパ(森鴎外のこと)と、才能あふれる姉たちに比べ、「不肖の息子」だった類。たぶん一番足りなかったのは「情熱」だったのではないかと思います。 時代が明治に代わり、大正へと移っていっても、浮世離れした森家の生活は変わりません。女中さんに「いい年した大人が昼間っから……」と言われてしまうくらい、暢気な生活を送っているんです。 同時代を生きた「伊藤野枝」を描いた小説『風よ あらしよ』と比べると、笑ってしまうくらい生活感がありません。 一途に激しい愛に生きた女の熱い言葉 『風よ あらしよ』 #625   また、同じく「偉大な父」を持ったため、絵師として苦しんだ河鍋暁翠の小説『星落ちて、なお』とあまりに境遇が違いすぎて。やっぱり芸術家に「ハングリー精神」って必要なのかかもと思ってしまった。 『星落ちて、なお』#808   「三越がないから」と言って嫁ぎ先から帰ってきてしまう長女・茉莉。爪に火をともすような生活をしているのに、珈琲とタバコと銀座が大好きな類。次女の杏奴(あんぬ)だけが、母の期待をひとりで背負い、父の名を汚さぬように必死になっていて痛ましいくらいです。 類の妻が入院した際、同室の人への見舞い品を買ってきてほしいと頼むシーンがあります。 「さりげないもので結構ですから。銀座までわざわざ出向かないでくださいね。

『星落ちて、なお』#808

この家族をつなぐのは、父への「わだかまり」だけ。赤い“血”の代わりに、黒い“墨”でつながったきょうだいの確執に、何度も戦慄しました。 第165回直木賞を受賞した澤田瞳子さんの『星落ちて、なお』は、偉大すぎる父を持った娘とよ(河鍋暁翠)の物語です。 偉大すぎる父とは、自ら「画鬼」と名乗った天才絵師・河鍋暁斎。 幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師ですが、自ら絵を仕込んだ子どもたちは、時代の変化と父の名前の重さに、さらされていく。 歪な家族の愛情と、絵師のプライドが、バチバチと燃える星のようでした。 ☆☆☆☆☆ 『星落ちて、なお』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 天才絵師・河鍋暁斎が亡くなり、娘のとよが一門を引き継ぐことに。兄とはそりが合わず、だらしない弟、病弱な妹を抱え、とよは「河鍋暁翠」の名で絵を描き続けようとするが、時代は大きな変化を迎えていた……。 “女性”絵師は、それほど珍しい存在ではなかったそうで、葛飾北斎の娘も「葛飾応為」として活動していました。 ただ、とよが生きたのは、明治という時代が大きく変化していた時期です。幕府のお抱え絵師だった狩野派の絵は「古い」と嫌われ、西洋画の技法を取り入れた絵がもてはやされるように。 技量は及ばずとも、父の技術を守りたい。 でも、生活していかなければならない。 父の下で修行したからこそ鍛えられた審美眼が、かえって自分の首を絞めてしまうんですから、これほどつらいことはないでしょう。 家族のいさかい、食べていくための仕事、そして高い壁としてそびえたつ父の絵。いくつものジレンマを抱え、ひとり奮闘するしかないとよの姿は、孤独な経営者のようでした。 とはいえ、セリフはすべて江戸弁なので、「気っ風のいい姐さん」な雰囲気が漂っています。 クリエイターという職業は、華やかにみえて、とても孤独なものだといわれています。なにかを作り出したい気持ちと、出来上がったものへの失望の間で落ち込み、作れば作るほど絶望してしまう。 ましてやとよの場合、「守破離」の「破」に移る段階で時代の波が押し寄せ、うまくステップアップすることができなくなってしまったのではないかと思います。 「守破離」とは、茶道や能、武道などの修行の段階を指す言葉です。 「守」:教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階 「破」:他の師や流派の教えの良いものを取り入れ、

映画「整形水」#807

なんか、すごいものを見たという感じで、いまも衝撃が去らない。 ルッキズムをテーマに、人間の欲望を描いた韓国のサイコホラーアニメ「整形水」。原作は、ウェブトゥーンの人気漫画で、韓国映画としては珍しく「吹替え版」も公開されています。 ☆☆☆☆☆ 映画「整形水」 https://seikeisui.jp/ ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 人気タレントのメイクを担当しているイェジは、幼少時から自分の外見に強いコンプレックスを抱えていた。タレントからは罵倒され、出演したテレビ番組では悪意ある書き込みをされ、自暴自棄に陥ってしまう。そんなイェジのもとに、巷で噂になっている「整形水」が届く。顔を浸すだけで思い通りの容姿に変わることができ、後遺症も副作用もない奇跡の水だという。美しくなって、新しい人生を歩むべく整形水を試すイェジだったが……。 サイコホラーではありますが、実写じゃなくてアニメでよかった……というのが、正直なところ。グロさが抑えられるので、ストーリーに集中できるんです。これ、実写だったら、“薄目”になちゃったかもしれない……。 背景にも凝っていて、控え室には 「トッケビ」 などのドラマポスターが! (画像はKMDbより) 日本版と韓国版のポスターを比べてみると、ちょっと違いが感じられました。 日本版は、打ち出しているのが“崩れる”恐怖なんですよね。 (画像は映画.comより) 一方の韓国版は“変身”なイメージ。 (画像はKMDbより) 日本の場合、岡崎京子さんの漫画『ヘルタースケルター』があるから、“崩れる”方がイメージしやすいからかもしれません。 沢尻エリカ主演×蜷川実花監督で映画化もされています。妖しい狂気の世界でした。 ルッキズムに対する社会の認識は、変わりつつあるようですが、まだまだ“改善”とはいえない状況です。チョ・ギョンフン監督は、「『美しさとは一体何だろう』という問いかけをしたかった」と語っています。 「ルッキズムの暴力」は美しい人にも向けられる…『整形水』監督が語る、整形大国・韓国の問題(此花 わか)   20年ほど前、韓国のテレビ局の仕事をしていて、外に撮影に出たことがありました。うっかり映り込みそうになったので、 「わたしは撮らないでくださいねー」 と言ったら、カメラマン(韓国人男性)は、こう言ったのでした。 「ブスは撮らないよ」 な

ドラマ「このエリアのクレイジーX」#806

“憤怒調節障害”の男性と“強迫性障害”の女性が、サイアクな形で出会ってしまったら。 起きるのは、破滅か、純愛か。 チョン・ウとオ・ヨンソのラブコメ「このエリアのクレイジーX」は、心に傷を抱えたふたりの勘違いに、クスッとなるドラマです。 現在公開中の映画「偽りの隣人 ある諜報員の告白」で、“愛国心の強い”諜報員を演じたチョン・ウ。ドラマ「応答せよ1994」で一躍有名になりました。 (画像リンクです) でも、このドラマ観てない……。 そこでもう一本の主演ドラマであり、「応答せよ1994」以来のドラマ出演となった「このエリアのクレイジーX」を紹介します。 ☆☆☆☆☆ ドラマ「このエリアのクレイジーX」 Netflix配信 https://www.netflix.com/title/81430301 ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 警察官のノ・フィオと、イ・ミンギョンは、家が隣同士で、かかりつけの精神科医も同じ。関りを持たずにいる方がお互いの為なのに、なぜかことあるごとに顔を合わせる羽目になり……。 序盤は笑えるシーンは多いものの、とにかく叫ぶ、怒鳴るの繰り返し。だんだんと過去が明らかになっていく第5話目くらいから、ようやく落ち着いて(?)観られるようになりました。 コミュニケーションアプリといえば、日本では「LINE」がライフラインに近い存在になっていますが、韓国で使われているのは「Kakao Talk」の方。 韓国ドラマでもよく「カトがさ~」なんて形で使われています( カ カオ ト ークの略)。 「Kakao Talk」を運営する「Kakao」は、最近コンテンツ企業を買収しまくっているそうで、ウェブトゥーンと呼ばれるネット漫画や映像制作にも力を入れているそう。 カカオがタパス・メディアを買収…「恋するアプリ」「梨泰院クラス」から『スペース・スウィーパーズ』まで、高まる“ウェブトゥーン”需要|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS   「このエリアのクレイジーX」は、人気配信サイト「KAKAO TV」と「Netflix」が製作したドラマなんです。 1話につき1億円以上が投資されたといわれる「愛の不時着」などに比べると、ちょっと地味な印象はありますが、生きづらさを抱えた人を包み込む、愛にあふれたストーリーでした。 女性の自立やセクハラとの闘いがテーマとなるドラ

映画「偽りの隣人 ある諜報員の告白」#805

「野党総裁である以前に、ひとつの家庭の父であり、一般の人々とまったく変わらない隣人の姿だ」 映画「偽りの隣人 ある諜報員の告白」で、自宅に軟禁される野党総裁を演じたオ・ダルスは、映画の公開時にこう語っていました。 セクハラ騒動の俳優オ・ダルス、活動再開…2年越しに日の目を見る映画『隣人』とは|スポーツソウル日本版   自らのセクハラ疑惑によって、映画も公開が中止され、2年もの間、活動できなかったオ・ダルス。出演作の観客動員数が、累計で1億人を突破した俳優に贈られる「1億俳優」のひとりです。 だいたい笑いを炸裂させるコミカルな役柄なのですが、「偽りの隣人」で政治家を演じると聞き、どんなもんだろうと心配していました。 そして。 やっぱ、「1億俳優」って段違いだわ!!! これが一番の感想です。 ☆☆☆☆☆ 映画「偽りの隣人 ある諜報員の告白」 公式サイト http://itsuwari-rinjin.com/ ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 次期大統領選に出馬するために帰国した、野党政治家イ・ウィシクは、国家安全政策部により逮捕され、自宅軟禁される。ウィシクを監視するため、諜報機関はユ・デグォンを監視チームのリーダーに抜擢。隣家に住み込んだデグォンは、24時間体制でウィシクの監視任務に就くことになるが……。 舞台は、1985年の韓国です。まだオリンピックも開催される前で、民主化もされておらず、デモがさかんに行われていた時期なんですよね。 この時代を描いた映画に、「1987、ある闘いの真実」があります。 心からの叫びが歴史をつくるのだ 映画「1987、ある闘いの真実」 #268   「1987、ある闘いの真実」は実際に起きた事故をベースにしていますが、「偽りの隣人」はまったくのフィクションです。 とはいえ、 ・民主化闘争が激化した時期 ・海外から帰国した野党総裁 ・自宅軟禁 という設定から、モデルにしているのは「金大中」だといわれています。 拉致、自宅軟禁、死刑判決を受け国外追放、政界復帰して大統領となり、ノーベル平和賞を授与されるという、ジェットコースターのような人生を送った政治家です。 オ・ダルスが演じた「イ・ウィシク」という政治家も、大統領選に出馬しようとして帰国、そのまま自宅に軟禁されてしまうのですが。 政治家としての野心よりも、家庭人としての姿を強く打ち出しているんです

『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』#804

真にトップのリーダーは、「忙しい」と口にしない! 優秀な成果を残すトップ5%社員に共通する特徴があるように、トップ5%のリーダーにも特徴がありました。 企業の「稼ぎ方改革」を支援している越川慎司さんが、トップ5%のリーダーの行動を調査。その結果、 ・歩くスピードがゆっくりで ・内省タイムを自ら設定し ・散歩やランニングで自律神経を整える こういう方が多いのだそう。 『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』は、昨日ご紹介した 『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』 の続編です。今回はコロナ禍以降の変化を踏まえて、企業のリーダーを対象に調査されています。 ☆☆☆☆☆ 『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ おもしろいのは、トップ5%リーダーの特徴を抽出して、別のチームで再現テストをしていること。特に、オンライン会議の工夫ポイントは参考になりました。 トップ5%リーダーは、「マイク」に投資している人が多いんです。逆に、普通のリーダーでは、「カメラ」に投資する人の方が多い。 理由は、「伝えること」ではなく、「伝わること」に重点をおいているから。 自分のカメラ映りよりも、言葉が伝わるように音の良いものを選んでいるんですね。 そして、定例会議の冒頭2分を雑談タイムにすることで場があたたまり、発言が活発になりつつ、時間内に終わる確率も上がる。 指示代名詞を使わずに、形容詞や副詞を多く使って、相手がイメージできるように話す。 といった特徴もみえてきました。 管理職の方が伝えることの量も質もボリューミーになりそうですが、会議での発言時間は、トップ5%リーダーの方が短いことも明らかになっています。 リーダーになるということは、メンバー時代に相当の成果を残した方ですよね。立場が変わっても、さらなる成果を上げられる人って、さぞかしドライで目標管理に厳しいんでは……と思っていたけれど。 本から感じられるトップ5%リーダーは、血の通ったコミュニケーションを大切にする、そのために自分ができることを考え抜く姿でした。 オンライン会議にも慣れてきたいまは特に、どうすれば「感情の共有」ができるのか悩む人もいるかもしれません。 トップ5%リーダーが実施する1on1では、うなずきにも特徴がありました。 ・1回のうなずきは、平均1.1秒(ゆっくり) ・

『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』#803

優秀な社員を観察してみたら、「効率よく成果を出す」共通点があった……! 越川慎司さんの『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』は、そうだろうなと思ってたけど、ホントにそうなんだ!という納得ポイントが満載でした。 ☆☆☆☆☆ 『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ まず、調査対象のN数がすごい。クライアント企業25社の、 ・トップ5%社員:9000名 ・一般社員:9000名 合計1万8千人の会議やメール、資料を、定点カメラ・ICレコーダー・GPSを使って、AIで分析。 トップ5%社員と一般社員との差をあぶり出したという、ちょっとオソロシイ本なのです。 たとえば、資料編。 一般社員の方が、 ・ページ数が32%多い ・作成時間が20%長い と、せつない結果が出ています。 変なこだわりを持って作り込もうとしないことが大事なんでしょうね。 実際、「作業充実感のある仕事はなんですか?」という問いに対して、最多回答は「資料作成」だったそう。特にパワーポイントとエクセルには注意が必要なようです。 つい、夢中になってしまうから……。 この「資料作成」に対して、完成した時に満たされた気分になる一般社員は89%もいます。でも、トップ5%社員の73%は「No」と答えているんです。 作成した資料によって、“成果”が残せた時に、満たされた気分になるんだそう。 おお、意識の違いよ……。 フツーの、並盛りサイズの会社員にとっては、仕事のやり方を振り返るきっかけにできる本だと思います。そうだろうなと思っていたこと、こうした方がいいと聞いていたこと、ホントにそうだったと数字が教えてくれます。 目指すべきは、 働き方改革 <<< 儲け方改革(企業)・稼ぎ方改革(個人) とのこと。 「幸せを感じるのはいつ?」という質問への回答が、意識変革の必要性を示していました。 ・一般社員:土曜日の朝 → 解放感 ・トップ5%社員:金曜日の夜 → 達成感 今日は休日だけど、さて、わたしがいま感じているのはどっちだろう。明日の金曜日は達成感を感じられるかしら。

ドラマ「賢い医師生活」シーズン2 #802

ああああああ、大好きな人たちがついに!!!!! 新たな命が生まれ、今ある命が終わりを迎える病院という場所。患者たちとともに生きる5人の医師を描いた「賢い医師生活」は、シーズン2の12話すべてがNetflixで配信されました。 ☆☆☆☆☆ ドラマ「賢い医師生活」 https://www.netflix.com/title/81239224 ☆☆☆☆☆ シーズン1は、韓国でNetflix視聴率の年間1位に輝いています。 学生時代に思い描いた理想、生きてる? ドラマ「賢い医師生活」 #379   シーズン2は、意外にも1の続きとして始まり、第6話になって一気に時間が進む、という構成。人の命を扱う病院が舞台なので、命の重さ、医療の限界を感じることもあるのですが、同時に医師の人柄に、心すくわれる場面が少なくありません。 わたしが一番泣いてしまったのが第4話。 心臓移植のドナーを待つ母たちの明暗に、ウルウル。 突然の病気報告に、ハラハラ。 そして、いつもクールで、ちょっとイケズなジュンワンの配慮に、ついに涙腺が……。 ジュンワンはSNSが苦手なため、後輩のジェハクが使い方を教えてあげるんです。ある日、ひとりでコソコソやってるから、遠距離恋愛中の彼女になんか送ったのかなーと思うじゃないですか。 その後、いつもICUでひとりぼっちだった患者のもとを、多くの人が訪れるようになります。 実はジュンワンが、SNSで話相手を募集していたのでした。 こんなステキなSNSの使い方ってある!? ジュンワン先生だけでなく、この病院にはおよそ“争い”というものがないんですよね。韓国ドラマお得意の「愛憎劇」や「復讐劇」もない。なにより、人の温もりを感じられるドラマでした。 メインの5人は、ソウル大医学部出身の同級生、かつ、バンド仲間です。 ・イ・イクジュン(常に冗談を言っている肝胆膵外科医) ・チェ・ソンファ(“鬼神”と呼ばれる脳神経外科医) ・アン・ジョンウォン(“仏様”と呼ばれるクリスチャンの小児科医) ・キム・ジュンワン(いつもクールな胸部外科医) ・ヤン・ソッキョン(“クマ”が愛称の産婦人科医) それぞれに外来、手術、学会、レジデントの指導と忙しい中、恋をし、家族の問題を抱え、成長していきます。 シーズン2は2020年~2021年の話のはずなのですが、実はドラマに「描かれていないもの」がありま

映画「7級公務員」#801

とにかく大好きな映画があります。脚本も、演出も、俳優も、演技も、全部好き。 「エクストリーム・ジョブ」みたいに、最高級に作り上げられた脚本に拍手したい映画もあったけど。 特大級のブラックコメディ 映画「エクストリーム・ジョブ」 #185 B級感満載でありつつ、とぼけた味わいにクスッが止まらない「反則王」も好きなんだけど。 映画「反則王」#800   コメディのお約束を、とにかく全部つめこんでみました!!!みたいな映画である「7級公務員」は、最高の一本。 ヘタレでマザコンの男が、スパイとしてデビューした先で、元カノと鉢合わせしまう……というストーリーです。 ☆☆☆☆☆ 映画「7級公務員」 DVD(画像リンクです) Amazonプライム配信(画像リンクです) ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 国家情報院の国内産業保安チームで、ミッション成功率100%を誇るスジは、特殊な職業上、恋人のジェジュンにさえ正体を明かせずにいた。スジのウソに疲れ果ててしまったジェジュンは、一方的に別れを告げてロシアへ留学。3年後、国家情報院海外部門所属要員となって帰ってきたジェジュンは、任務中にホテルでトイレ清掃をしているスジを見かけて……。 韓国の公務員は、9級、7級(一般公務員など)、5級(事務官級など)に分かれています。 「7級公務員」は、日本でいう「国家2種」に当たるそう。就活に失敗した学生や、ブラック企業から逃げ出して公務員を目指す、というシーンはドラマでもよく登場しますよね。 2016年の統計では、就活生のうち、一般職公務員を目指す受験生は39.3%にも上っています。 そんな狭き門をようやくくぐり抜け、公務員となったジェジュンですが、あまりにもヘタレなんです……。 演じているのはカン・ジファン。なんとも甘ったるいお坊ちゃま感がぴったりハマっています。2009年に開催された「第46回大鐘賞」で、新人男優賞を受賞しました。 (画像はKMDbより) ジェジュンが配属されたチームの班長は、リュ・スンリョンが演じています。 「エクストリーム・ジョブ」 や 「サイコキネシス 念力」 のコミカルな演技とは違い、今回は、コワモテの方。だけど、ジェジュンがとことんやらかしてくれるので、気の毒になっちゃうくらいです。 「融通のきかない新人を抱えることになった上司」の悲哀を想像していただければ、マッチング度は10

映画「反則王」#800

なんじゃこりゃ!?と感じるくらいベタなコメディって、心から愛しいのです。バカをやってくれるほど、愛がつのる。 いまや“世界の”ソン・ガンホが、若かりし頃に主演した映画「反則王」が、まさにこれ。「昼はダメダメ銀行マン、夜は覆面プロレスラー」という役柄で、プロレス技をきめる!んだけど、教えてくれる先輩は、コブラツイストも分かんないという……。 現在、Amazonプライムで配信されています。 ☆☆☆☆☆ 映画「反則王」 DVD Amazonプライム配信 ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 遅刻常習犯でノルマの達成もできず、いつも上司に叱られてばかりの銀行員イム・デホ。上司のヘッド・ロックを破りたいと考えたデホは、プロレス館への入門を決意するが……。 キム・ジウン監督は、前作の「クワイエット・ファミリー」が、韓国で大ヒットを記録。うだつの上がらない長男を演じていたソン・ガンホは、「反則王」で初めて映画主演を果たしました。 そして「反則王」がまた大ヒットしたもんだから、倒れるくらい飲み明かしたのだとか。この映画が大きな転機になったと語っています。 こんなんなんですけどね。日本で公開された2001年当時、わたしが使っていたガラケーの待ち受け画面はこれでした……。 (画像はKMDbより) 韓国映画界で初めて、高速カメラが使われた映画でもあります。エンドロールには「ピアノ線特殊技術」という項目があるので、前年に公開された「マトリックス」みたいな撮影だったのではないかなと思われます。 リングに張られたロープの上から、ソン・ガンホが飛ぶんです。キレーーーに一回転して、着地! 「栄光の架橋」が脳内再生される!! みたいなシーンもありつつ、基本はドタバタコメディなので、めちゃくちゃベタなネタが展開されていきます。ソン・ガンホ得意の“コソコソ歩き”も、この映画ですでに披露されていたんだなーと、なつかしく観ました。 わたし的2020年最高の一本である「エクストリーム・ジョブ」も、小ネタが満載の映画でした。 特大級のブラックコメディ 映画「エクストリーム・ジョブ」 #185   これに比べると、「反則王」はB級感漂う映画ではありますが、映像のつなぎ方がとても上手だなと思います。 映画の冒頭から、デホは上司に暴力を振るわれます。洗面台にポトリと落ちたのは、名札。ちゃんと主人公の名前が分か

ドラマ「補佐官」シーズン1 #799

昨日の敵は、今日の友。 韓国の政治は、とにかく党の変化が激しい。できては消えるし、議員もあちこちに異動します。いまの与党はどこだっけ?となることもしばしば。 激しい生存競争を生き抜く仕事、ではあるけれど。どこの国にも、「そもそもなぜ政治家になろうと思ったのか」、疑問に感じる人もいますよね……。 法案作り、答弁書、記者会見などなど、政治家の激務を支えるのは、「補佐官」。 映画での活動が続いていたイ・ジョンジェが、10年ぶりにドラマに復帰した「補佐官」は、そんな表舞台を歩く政治家と、影で支える人々を描いた政治ドラマです。 ☆☆☆☆☆ ドラマ「補佐官」シーズン1 Netflixで配信中 https://www.netflix.com/title/81070963 ☆☆☆☆☆ <あらすじ ソン・ヒソプ国会議員の主席補佐官であるチャン・テジュンは、冷静で優れた判断力を活かし、議員をサポートしてきた。テジュンの暗躍のおかげで、ついに院内代表となったソン議員は、法務長官に任命されれば、自分の選挙区を譲ると約束するが……。 Netflixではシーズン2まで配信されています。日本版タイトルは「補佐官」だけですが、韓国語版には「世の中を動かす人々」という副題あり。陰謀渦巻く世界の、熱いドラマです。 なにせ展開が早い。 あっちと対立したと思ったら、こっちと手を組み、あちらの足を引っ張る策略を巡らす。「昨日の敵は、今日の友」どころか、10分くらいで状況が一変しちゃうんだから、目が離せない。熾烈なゲームそのものです。 イ・ジョンジェ演じるチャン・テジュンが、かつての恩師と、愛する女性と、自らの野望の板挟みに、と展開していきます。 政治闘争のネタとなるのは、労災認定や再開発を巡る利権、下請け企業の事故もみ消し、中絶の賛否など、現在進行形で韓国で問題になっているものばかり。まるでドキュメンタリーを観ているような迫力です。 中でも再開発を巡る問題は、ソン・ジュンギ×チョン・ヨビン×オク・テギョンによるファッショナブルなヤクザドラマ「ヴィンチェンツォ」でも大きなテーマになっていました。 ドラマ「ヴィンチェンツォ」#667   実際、文在寅政権の発足後、ソウルのマンション相場は5割以上高騰していて、住宅難に。強制撤去による死亡事故も起きています。 タワマン続々、不動産急騰、再開発バブルの裏で見捨てられ