「雑草は、踏まれても踏まれても立ち上がる」は、間違い。 これを知って、かなり驚きました。 抜いても抜いても生えてきて、なんでこんなところから?と思うような場所からも顔を出してくる雑草。踏まれて倒れたぐらいでは、へこたれない。これほど「強い」草はないと思っていたのに! 雑草を研究しているという、静岡大学教授の稲垣栄洋さんの本『はずれ者が進化をつくる』に紹介されていた、「雑草魂」というか、「雑草戦略」には学ぶところが多かったです。 ☆☆☆☆☆ 『はずれ者が進化をつくる --生き物をめぐる個性の秘密』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ 『はずれ者が進化をつくる』などを出している「ちくまプリマー新書」は、「ちくま新書」の姉妹レーベルという位置づけだそうで、ラインナップにはヤングアダルト向けの本が並んでいます。 2018年には既刊本が300点を超えたそうで、特設サイトがありました。稲垣栄洋さんの本も「五本柱」のひとつに選ばれています。 ちくまプリマー新書 祝★300点突破! ティーンエイジャーが対象なので、語り口がやさしい本が多いのが特徴。大人が読んでも十分におもしろいです。 植物はもちろん、地球上の生物は「違うこと」に価値をおいてきました。これはあくまでバラバラなのであって、優劣ではありません。 バラバラではあるけれど、中央値みたいな生存適性はあって、隅っこには「はみだしもの」もいます。で、環境などの変化が起きたとき、この「はみだしもの」が生き延び、そしてまたその「はみだしもの」が中央値となり、あらたな「はみだしもの」が生まれ……というように、生物は進化してきました。 だけど現代の人間たちは「ナンバーワンよりオンリーワン」と言ってみたり、「いやいやそれじゃ甘いよ、やっぱりナンバーワンじゃなきゃ」と言ってみたりする。 そして、 わたしのオンリーワンってなんだっけ? 自分らしさってどういうこと? 個性を出せってどうすればいいの? といった悩みを抱えてしまうのです。 「考える葦」である人間って、自分で悩みを作り出しているようなもんなんですね……。 冒頭に書いた雑草の戦略「雑草は踏まれても立ち上がらない」。 雑草にとっては「立ち上がる」ことが大事なのではなく、「種を残す」ことが目標だから、立ち上がらない方がよければ、横に伸びたり、根を伸ばしたりして、目的を果たすのだそう。 立ち上