「バカ」と名のついたタイトルの本は、売れる!?
そんなバカな……。
本だけでなく、数々のヒット商品を「意識の高低」から読み解いた本が、小口覺さんの『ちょいバカ戦略 意識低い系マーケティングのすすめ』です。
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『ちょいバカ戦略 意識低い系マーケティングのすすめ』
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本のタイトルに「バカ」とついていて、ベストセラーになったといえば養老孟司さんの『バカの壁』でしょうか。2003年に発売されています。でも、時期としては呉智英さんの『バカにつける薬』の方が早かった。1988年の本です。
その後も、立花隆さん『東大生はバカになったか』(2001年)、中川淳一郎さん『ウェブはバカと暇人のもの』 (2009年)などなど。小説なら早見和真さんの『店長がバカすぎて』(2019年)もありました。
こうした本は、周囲にいる「バカ」に疲れる……という、どちらかというと意識の高い人々が低い人々にため息をつく話。ですが、小口覺さんは、ヒット作を生み出すには、意識の低いところから攻めるがよろしと語っています。
上から目線でモノは売れない。もっと「意識低い層」のマインドを理解せよ!
というわけで、自動車業界やアパレル業界、飲食店業界などを「意識の高低」で解説。ところどころにクスッとなる箇所もあり、おもしろく読める本です。
「意識低い層」といわれると、ちょっと「ウッ!」となりますが、こぎれいに飾られたものよりも、もっと下世話なインサイトを探せということでしょうか。消費については、原田曜平さんの『ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体』と合わせて読むのがおすすめ。
実際のところ、背の低いわたしは、背の高い人と比べて、見えている世界が違うと思います。ヒラの会社員と、社長や役員とは、触れている空気も違うし、日本に住んでいる日本人と、日本に住んでいる外国人とでは、住みやすさも違うでしょう。
マーケティングの場だけでなく、「下から目線」は、もっと大切にされてもいいのではないかしらね。
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