名バイプレーヤーとして知られる俳優が、主演を務めるとき。その心中はドッキドキでしょうね……。
映画「ベテラン」や「タクシー運転手 約束は海を越えて」で味のある演技を披露していたユ・ヘジンにとって、初めての単独主演映画が「LUCK-KEY ラッキー」でした。
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映画「LUCK-KEY」
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売れない貧乏役者のジェソンは、将来に絶望して自殺を試みます。が、大家の侵入によって失敗。せめて身ぎれいになってからにしようと銭湯に行くことに。石けんを踏んで転倒した男の鍵をすり替え、男のフリをして暮らそうとしますが……。
原作は内田けんじ監督のコメディ「鍵泥棒のメソッド」。リメイク版の試写会で、観客が提案したタイトルが「LUCK-KEY」で、それがそのまま使われることに決まったのだそう。
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映画「鍵泥棒のメソッド」
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ユ・ヘジンが演じるのは記憶喪失になった男「ヒョヌク」なのですが、ロッカーの鍵をすり替えられてしまったため、周囲には貧乏役者だと思われています。助けてくれた救急隊員の実家である食堂で働くことになりますが、刀さばきはすごいし、客さばきもうまい。だけど彼自身は俳優として成功し、親孝行しなければとマジメに努力します。
(画像はKMDbより)
一方、鍵をすり替えて逃げ出したジェソンの方は、豪勢な「ヒョヌク」の家にビックリ。贅沢三昧に自堕落に暮らし始めますが、隠し部屋で多くの銃を発見してしまいます。
実は「ヒョヌク」は、100%の成功率を誇る伝説の殺し屋だったのです!!!
というお話。とにかくおかしな方へ、おかしな方へと話が転がっていく、コメディです。
(画像はKMDbより)
驚くのはユ・ヘジンの身体能力の高さ。趣味は登山と日曜大工だそうですが、いや、すごすぎやろというくらい、見事なアクションをみせています。
映画では、どう見てもおっちゃんなのに身分証は20代だったり、大部屋俳優から出世しちゃったり。
記憶は失っても、努力の仕方は覚えてるんですよね。
逆に、鍵をすり替えたジェソンは、夢はでっかく、だけど行動力はゼロという青年です。ふたりの対照的な生き方は、入れ替わっても続いてしまう。「幸運の鍵」をつかむには、という部分で、ちょっと身につまされました。
ユ・ヘジンは劇団生活20年で力を付け、韓国映画になくてはならない俳優になりました。これまでW主演の映画はありましたが、これは初めての単独。ピン。ソロ。どれだけのプレッシャーがあったのだろうと思います。でも、フタを開けてみれば、観客動員数約700万人の大ヒットを記録しました。
ギャップ萌えしそう?なユ・ヘジンの凜々しい姿が見られる映画です。シンプルなストーリーのコメディなので、お休みの日にぜひ!
映画情報「LUCK-KEY」112分(2016年)
監督:イ・ゲビョク
原案:内田けんじ
脚本:キム・ヨンミ
出演:ユ・ヘジン、イ・ジュン、チョ・ユニ、イム・ジヨン
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