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映画「グッドモーニング・プレジデント」#970

「韓国の大統領って、退任後に行くところが決まってるよね……笑」 そんな冗談を耳にすることも多い時期。問題は、この「笑」の部分ですよね……。なんでこんなに懲りずにやらかしてしまうんだろう?と不思議に思います。 現大統領の人気は今年の5月9日まで。本日3月9日は、大統領選の投票日です。 韓国の政治ドラマは“忖度なし”の骨太な作品が多く、歴代大統領の中でもパク・チョンヒ大統領やチョン・ドファン大統領は、何度も映画に描かれています。 この時代、軍事的、政治的な事件が多かったせいでしょうね。 一方、チャン・ジン監督の「グッドモーニング・プレジデント」は、“人間”としての大統領に焦点を当てたヒューマンドラマです。 3人の大統領に仕えた青瓦台(大統領官邸)の料理人の視点で描かれる、大統領たちのあまりにも庶民的な姿。かなり笑えます。 ☆☆☆☆☆ 映画「グッドモーニング・プレジデント」 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ 最初に登場するのは、イ・スンジェハラボジが演じるキム大統領。退任まで半年を切り、ガツガツと手腕も発揮することもなくなってしまった、ある日。 ロトで244億ウォンが当たったーーーーー!!!!! けど。 以前、当せんしたら「全額寄付する」と公約してしまっていたのでした。なんてこったいな事態に、大いに悩んでしまう。そりゃ、そうだわ。 そんなキム大統領の跡を継いで就任したのが、チャン・ドンゴン演じるチャ大統領。 (画像はKMDbより) 若いし、切れ者だし、おまけにイケメンというエリート政治家なのですが、国家的危機の時に恋に落ち、シングルファーザーでもある大統領も、大いに悩んでしまう。いや、それどころじゃないかもよ。 そして最後に登場するのが、コ・ドゥシム演じる、「初の女性大統領」という設定のハン大統領。 映画としては4年ぶりにスクリーンに復帰したチャン・ドンゴン押しな宣伝だったと記憶していますが、一番おもしろくて、ホロリとしたのは、この3番目の大統領でした。 ハン大統領と一緒に、青瓦台で暮らすことになり、ファースト・ジェントルマン扱いを受けるようになった夫。慣れない生活に、「ちょっとだけ……」と羽目をはずして、スキャンダルを起こしてしまう。 うもーー!!!となって離婚するしかないと、大いに悩むハン大統領。うん、分かる……。 だけど、イム・ハリョンの「憎めないおっちゃん」感は最高

ドラマ「女の香り」#967

闘病中だった知人の訃報が届きました。 友人の友人……というちょっと遠い距離だけど、やはり心が沈んでしまいますね。 なかなかに波瀾万丈な人生で、たしか50歳を過ぎてから新宿にバーをオープン。それまでやったことがなかった水商売だったにも関わらず、人柄を慕う人たちでいつも賑わっていました。 最期の瞬間を、どんな風に迎えたいか。 自分のお葬式で、誰にどんな言葉をもらいたいか。 そんなことを時折考えます。その日に向かって、その言葉に向かって、生きなければと思うから。 韓国で2011年に放送されたドラマ「女の香り」は、34歳の主人公が突然、余命宣告を受け、生きることの意味をみつける物語。 「私の名前はキム・サムスン」 で大ブレイクを果たし、ラブコメの女王と呼ばれたキム・ソナさんが、内気だけど芯の強い女性・ヨンジェを演じています。 ☆☆☆☆☆ ドラマ「女の香り」 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 旅行会社に勤める34歳のヨンジェは、会社からはこき使われ続け、上司からも邪険にされている。ある日、交通事故に巻き込まれて病院で検査を受けることに。そこで末期の胆のう癌が発覚。余命はあと半年と知らされる。会社を辞めたヨンジェは貯金をはたき、きれいに着飾って人生最後のバカンスを満喫すべく沖縄ヘと旅立つ。そのとき、ヨンジェが社内でひと目惚れしていた御曹司のジウクも沖縄を訪れていた……。 キム・ソナさんは日本で中学・高校生活を送っていたため、日本語もお上手です。ドラマでは沖縄での出会いのシーンがあり、そこでも流ちょうな日本語を披露しています。 あの強烈な「サムスン」のイメージが残っていたので、ドラマの序盤は、シュッと痩せて小顔になり、モジモジした様子のヨンジェにとまどいました。 余命半年という宣告を受け、やれなかったことをやったろうやないかい!と沖縄に向かってからは、憑き物が落ちたように晴れやかな表情に。思い切って買ったオシャレなワンピースもよく似合う。 そこで、運命の出会いをします。 という展開が、韓国ドラマらしいんですよね。 ヨンジェが勤めていた会社の御曹司を演じるのは、 「トッケビ」 の死神役がかわいかったイ・ドンウクさん。彼の勘違いのおかげで、ヨンジェは才能を発揮する機会を与えられます。 次々とアイディアを生み出し、自分の意見を口にするヨンジェ。これまでいかに、言葉を封じられ

『名前だけでもおぼえてください』#944

名前だけでもおぼえてください! 新入社員、営業部員に、売れないタレント。みんな、心の底から思っているのではないでしょうか。 「名前だけでもいいから……。わたしのことを認識してほしい」 安倍晴明によると「名こそ呪」となりますが、売れないお笑い芸人で、介護ヘルパーのアルバイトをしている保美にとっては切実な問題でした。 風カオルさんの小説『名前だけでもおぼえてください』は、主人公の保美が、認知症を患うおじいちゃんと漫才コンビを組む!?というお話。 テンポがよくて、クスクス笑えて、ホロリとくる気持ちよさがありました。 ☆☆☆☆☆ 『名前だけでもおぼえてください』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 売れないお笑い芸人、保美。事務所の先輩がP1で優勝し、売れっ子になったことから、介護ヘルパーのアルバイトを引き継ぐことに。ガンコで好き嫌いの多い賢造じいさんとのやり取りを見たマネージャーは、ふたりでコンビを組むことを提案するが……。 保美が、相方の「りん子」と組んでいる漫才コンビの名前は、「魚ニソン(ぎょにそん)」です。もう、この時点で、売れないんじゃ……となるおかしさがこみ上げてきます。 一方で、先輩の紹介で出会った、賢造じいさんの口の悪さが、一級品。それにまったく取り合わず、マイペースでツッコミどころを探し回る保美の根性が、プロ級。 最初からナイスなコンビだったんですよね。 「名前だけでもおぼえてください!」は、魚ニソンの漫才の定番ネタだったんですが、賢造じいさんとの交流にもつながっていきます。 だって、賢造じいさんは、亡くなった妻の名前以外は覚えようとしないんです! ワケアリの介護ヘルパーと、ワケアリの患者という組み合わせは、フランス映画「最強のふたり」を思わせる展開。実際、この小説は「漫才版・最強のふたり」といえるかも。 (画像リンクです) ガンコだった賢造じいさんが、保美のことを受け入れたのは、自分のことを「ちゃんと人間扱い」してくれたから、だったのかもしれません。 なにしろ、思い込みの強い息子は、どこにも出かけさせず、家に閉じ込めるだけだったのですから。 保美と出会い、漫才の「ま」の字も知らないのに、マイクの前に立つことになった賢造じいさん。台本は覚えないし、途中で舞台を降りようとしちゃうし、自由奔放です。それを、ツッコミ役の保美が、全力でフォローしていく。

ドラマ「その年、私たちは」#942

誰かといても孤独を感じることはあるけれど、ひとりで生きてきたわけじゃない。 その時、その瞬間。 誰かがそばにいてくれたり、誰かと感情を共有したり。 そんな、人とのつながりを再確認できるようなやさしさが、「その年、私たちは」にはつまっていました。現在、Netflixで配信されています。 ☆☆☆☆☆ ドラマ「その年、私たちは」 公式サイト: https://www.netflix.com/title/81486372 ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 学年1位と学年ビリを追ったドキュメンタリー番組に出演し、反発を繰り返していたウンとヨンス。10年後、広告代理店のやり手のチーム長となったヨンスに、再びウンと一緒にドキュメンタリーに出て欲しいという依頼が入る。プロモーションのために依頼しようとしていたイラストレーターがウンだと知ったヨンスは、仕方なく了承するが……。 ドラマ 「梨泰院クラス」 のイソ役で大ブレイクしたキム・ダミちゃん。 そして、映画 「パラサイト 半地下の家族」 で、半地下家族の長男役を演じたチェ・ウシク。 ふたりの高校時代、大学時代、社会人になったいまと、10年間の“くっついたり、離れたり”が描かれます。 そういえば、おふたりは映画「The Witch/魔女」で共演済みでしたね。敵対関係だったけど。 最強アサシン少女の誕生を描くバイオレンスアクション 映画「The Witch 魔女」 #493   実年齢は、チェ・ウシクが31歳、キム・ダミちゃんが26歳ですが、制服姿にぜんぜん違和感がない! みずみずしいという言葉がピッタリです。 (画像はIMDbより) 目に映るものすべて、悲しいも、うれしいも、つらいも、いらだちも、ふたりとも全力で吐き出す……タイプではないため、すれ違い、行き違い、衝突を繰り返してしまいます。 ここに、ドキュメンタリーのPDとしてやって来た、幼なじみのジウンとの三角関係が重なり、せつなさ満載。愛しさ大盛り。そして、最後には心強さも感じられるように。 それぞれ家庭の事情を抱えているため、それが自分の足首をつかんでいて、自分が自分の人生を生きていないことに気付くからです。 にしても……。 タイトルが「その“年”、私たちは」なのは、「応答せよ」シリーズへのオマージュなのかなと思っていたんですよね。 ドラマ「応答せよ1997」#941   「応答せよ」

ドラマ「応答せよ1997」#941

「韓国の追っかけは、本当に“推し”と結婚できると思ってるんですよ」 ドラマ「応答せよ1997」を観たという話をしたとき、韓国人の友人が説明してくれました。 ドラマの中で、チョン・ウンジ演じるシウォンは、H.O.T.のトニー・アンの熱烈なファンでした。コンサートに行って、倒れるくらい叫び続けるんです。 彼女も本当はトニーと結婚したかったのかな……。 H.O.T.とSechs Kiesは、90年代に絶大な人気を誇るアイドルグループで、女子高生たちは文字通り熱狂したんだそう。 (画像リンクです) ノスタルジーとコメディが融合し、ミステリー風味を加えたドラマ「応答せよ1997」。当時まだ新人だったチョン・ウンジとソ・イングクの出世作です。 ☆☆☆☆☆ ドラマ「応答せよ1997」 (画像リンクです) Amazonプライム配信:https://amzn.to/3ouUHuA ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 2012年、かつて釜山廣安高校で同級生だった仲間たちは33歳になり同窓会を開いていた。この中の誰かが今夜結婚を発表し、勉強も恋もそっちのけでアイドルの追っかけをしていたシウォンは、この中の誰かと夫婦になり現在妊娠中。シウォンの幼馴染で優等生のユンジェ、ユンジェの親友で優しいジュニ、ムードメーカーのソンジェ、ソウルからやって来た転校生のハクチャン、シウォンの親友のユジュン、さらに当時彼らの高校の教師をしていたユンジェの兄ジョンホ。果たしてこの中の誰が結婚するのか、シウォンの夫は誰なのか……。 2012年現在と、1997年の高校時代が行ったり来たりしながら進みます。制服姿のチョン・ウンジとソ・イングクが、清らかでかわいい過ぎるの。 字幕だと分かりにくいですが、舞台が釜山なので、高校時代はみんな方言で話しています。 が。 2012年の大人になったメンバーは、きれいな標準語(ソウルの言葉)を話しているんです。 それが、とてもせつない。 わたしは関西から東京に来て、東京弁を話すようになったとき、なんとなく自分の一部を失ったような気がしました。 むかしは東京弁なんて、かっこつけて気取ってるようにしか聞こえなかったのに。 まぁ、いまでも頭の中では関西弁が流れていて、外に出る言葉としては“翻訳”しているようにも思いますが。 慣れ親しんだ自分の「母語」を変えてしまう何か。それが、東京出身者と地方出身

映画「コレクターズ ソウルに眠る宝刀を盗み出せ」#932

韓国版「インディ・ジョーンズ」は、痛快・爽快だった! イ・ジェフンやチョ・ウジンといった芸達者な俳優たちが、“盗掘”のスペシャリストを演じた映画「コレクターズ ソウルに眠る宝刀を盗み出せ」。 だまし合いとリベンジが、軽~いノリで展開されるので、気持ちよく笑える映画です。 ☆☆☆☆☆ 映画「コレクターズ ソウルに眠る宝刀を盗み出せ」 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 天才盗掘師のカン・ドングは、ある盗みをきっかけに古美術家でエリートキュレーターのユン室長に目をつけられる。彼女のボスの命令により、ドングは「韓国のインディアナ・ジョーンズ」と自称する古墳壁画盗掘専門家のジョーンズ博士とタッグを組み、高句麗の古墳壁画を盗むことに成功。ユン室長の信頼を得たドングは、韓国のど真ん中・宣陵に眠る「李成桂の刀」を盗む危険な取引を提案するが……。 カン・ドングを演じるのは、イ・ジェフン。 「金子文子と朴烈」 や 「シグナル」 とはまた違う、知恵も、熱さもモリモリな青年です。 その相方となる古墳の壁画盗掘専門家を演じるのは、チョ・ウジン。なんと、自称「韓国のインディアナ・ジョーンズ」。当然、帽子もかぶってます。そしてこれが上手いオチに使われています。 (画像は映画.comより) ドングの抱える過去は、わりと早い段階で明かされるので、あとはどうやってリベンジを果たすのかを楽しみに観ることができます。 お仲間もクセのある人ばかりなんですが、イム・ウォニが合流したところで、「キタキタキターーーッ!!」となりました。 画像の中、車の横を歩いているおっちゃんです。 (画像は映画.comより) ドラマ 「ムーブ・トゥ・ヘブン: 私は遺品整理士です」 では、義理堅く、懐の深い弁護士を演じていましたが、「神と共に」シリーズや 「補佐官」 シリーズでみせた、コミカルな演技も大好き。 (いつ、泣き真似をしてくれるんだろう……) と期待して待っていたら、期待通りの展開が待っていました。 悪を持って悪を制す部分はありつつ、最後は「みんないい人」で終わるところも、韓国映画らしさが漂っています。 韓国版・ジョーンズ博士の機知とキュートさが、最高に楽しめる映画。日本ではブルーレイが発売されているくらいで、シネマートの「のむコレ」で上映されていました。 アジア作品を中心とした選りすぐりのラインナップ!劇場

ドラマ「調査官ク・ギョンイ」#888

俳優にとって「未知なる姿」をみせるのは、これほど難しいことなのか。 K-POPの世界では「カムバック=新曲・新アルバムを発表すること」のたびに、新しい姿をみせることが求められます。でも俳優の場合、これまで築いてきたイメージを壊すことはとてもリスキーなのですよね。 清純で、誠実で、勤勉で、マジメな役柄を演じてきたイ・ヨンエさんが、「調査官ク・ギョンイ」では、コメディとアクションに挑戦。 SBSドラマ 「師任堂、色の日記」 以来、約4年ぶりのカムバック作品での姿はというと。 ボサボサ髪に、首の伸びたTシャツ、ジャンクフードをボリボリしながら、お酒が手放せないゲーム廃人です。 元刑事で、推理の腕は一級品なのだけど、夫を亡くしてから引きこもり生活をしていた、という設定。 この、ギャップ。 正直にいって、最初はなかなか受け入れがたいものがありましたが、第3話くらいからようやくコメディ色が強くなり、なんとか完走しました……。 ☆☆☆☆☆ ドラマ「調査官ク・ギョンイ」 https://www.netflix.com/title/81486374 ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 夫の死後、部屋に引きこもってゲームばかりしていた元刑事のク・ギョンイ。警察時代の後輩ナ・ジェヒから保険調査を依頼され、ゲーム仲間のサンタを相棒にして調査を開始する。不審な死亡事故を調べているうちに、夫の教え子が連続殺人鬼ケイではないかと疑うようになり……。 ドラマのオープニングが、ギョンイとケイのアニメーションだったので、てっきりウェブトゥーンが原作なのだと思っていました。けど、どうやら違ったようです。 このドラマの脚本を担当したソン・チョイは、ルーキーたちが集まる共同作家チームのひとりなのだそう。 「独特」すぎたのか、オンライン制作発表会に参加したイ・ヨンエさん自身、「台本を何度読んでも理解できなかった」と語っていました。 高校生時代から変わらず、軽いノリで「だって悪い人なんでしょ?」と、人を抹殺してきたケイ。あまりにも悪びれないので、なんの共感もわかないまま……。そこがつらかった一因かも。演じたキム・ヘジュンさんは、はつらつとしてました。 「キングダム」の王妃を演じていたと知って、びっくりでした。 ケタ違いのスケールで問う。命か、権力か Netflixドラマ「キングダム」 #263   なんだか辛口になってし

映画「シークレット・ジョブ」#842

動物のいない動物園は、再生できるのか!? 韓国の「ウェブトゥーン」で連載されたウェブマンガを、ソン・ジェゴン監督が映画化。ひたすらコミカルに振り切った脚本と、“動物の演技”が楽しめる映画「シークレット・ジョブ」を紹介します。 ☆☆☆☆☆ 映画「シークレット・ジョブ」 公式サイト http://klockworx-asia.com/zoo/ DVD (画像リンクです) Amazonプライム配信 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 有名法律事務所で見習い弁護士として働くテスに、廃業寸前の動物園「ドンサンパーク」の経営を3か月で立て直すという案件が舞い込む。客はおろか、動物すらほとんど残っていない動物園を救うため、新園長に赴任したテスは、スタッフたちが動物に扮装するという奇想天外な打開策を打ち出し……。 ソン・ジェゴン監督の前作「2階の悪党」は、ハン・ソッキュとキム・ヘス主演のコメディでした。キム・ヘスのイライラする空気感が最高に笑える映画です。 (画像リンクです) 「シークレット・ジョブ」はというと、こちらの映画ほどのビッグネームは出演していません(失礼)。園長になった弁護士はアン・ジェホン、「ヴィンチェンツォ」のチョン・ヨビンも“スタッフのひとり”くらいの扱いです。 でも、脚本がホントにうまいんです。 秘密に対して、必死にマジメに取り組むほど、笑いって生まれるんですよね。 「動物園なのに動物がいない」という状況を打破するため、ホンモノそっくりな着ぐるみを用意し、スタッフ総動員で演技をするんです。当然、みんなヘトヘトに。 (画像は映画.comより) 韓国映画やドラマには、庶民 vs. 財閥企業の構図がよく描かれます。「シークレット・ジョブ」もやはり、裏側に財閥の思惑が働いていることが判明するのですが。 踏みつけられ、痛めつけられ、すべてを失い、絶望した庶民の反撃にカタルシスを持ってくる脚本が多い中、この映画はちょっと違いました。 大企業を手玉にとって、うまく乗せ、自分たちの思いを通してしまうんです。ちなみに、うまく乗せられてしまう財閥の親玉役は「ミナリ」のハン・イェリが演じています。 デモや、抗議、暴力だけが抵抗の手段じゃない。 知恵とアイディアで、財閥をくすぐり動かしていくのは、すがすがしい気持ちよさがありました。原題の「해치지않아」も、日本語にすると「傷つ

映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」#820

“運命は自分で変えられる。未来は誰にも分からない” 1985年に公開された映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のテーマは、そのまま製作現場の想いでもあったようです。 売れない監督ロバート・ゼメキスと、大学の同級生でこちらも売れない脚本家のボブ・ゲイルが作り上げたストーリー。多くの支援とどんでん返しの果て、ようやく公開された映画は大ヒットし、第58回アカデミー賞で脚本賞などにノミネートされました(受賞は音響効果編集賞のみ)。 映画の人気を受けて、パート2とパート3も製作され、いま、Netflixで全作配信されています。 ☆☆☆☆☆ 映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」パート1 https://www.netflix.com/title/60010110 映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」パート2 https://www.netflix.com/title/60010111 映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」パート3 https://www.netflix.com/title/60024059 ☆☆☆☆☆ 同じくNetflixで配信されているドキュメンタリー番組「ボクらを作った映画たち」で「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の裏話を知り、本編が観たくなったのですが。この映画の問題点は、パート3を観ちゃうと、もう一度パート1を観たくなってしまって、無限ループに陥ってしまうことなんですよね……。 ドキュメンタリー「ボクらを作った映画たち」#818   映画を最高にエキサイティングに盛り上げた立役者のひとりといえば、マイケル・J・フォックス。テレビドラマシリーズ「ファミリータイズ」で人気になり、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の“マーティ”役をオファーされますが、当時は掛け持ちがゆるされない状況だったため断ってしまうんです。 やむなくエリック・ストルツを“マーティ”役として撮影を開始しますが、エリックはなんとこの映画を「悲劇」ととらえていたのだそう。 だいぶ雰囲気違うで!!! というわけで、撮影が6週間、全体の3分の1ほども進んでいるにもかかわらず、ゼメキス監督は主役の交代を決めるんです。 現場のスタッフの中には、それを聞いて泣き出した方もいたそうです。そりゃそうですよね。6週間の苦労が吹っ飛んでしまうんですもん。 仕事をしていてやりなおし作業になった時、わたしの

映画「プリティ・ウーマン」#819

どこを切り取ってもステキすぎて……惚れちゃう!!! ジュリア・ロバーツとリチャード・ギアによる、現代版(といっても公開されたのは30年前だけど)シンデレラストーリー「プリティ・ウーマン」です。 Netflixで配信されているドキュメンタリー番組「ボクらを作った映画たち」の中で、「プリティ・ウーマン」の製作裏話を観たら、もうたまらなくなって映画本編も観てしまいました。 映画の方はAmazonプライムで配信されています。 ☆☆☆☆☆ 映画「プリティ・ウーマン」 DVD (画像リンクです) Amazonプライム配信 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ <あらすじ> ビバリーヒルズのホームパーティーに招かれた実業家のエドワード・ルイスは、売春婦のヴィヴィアン・ワードにホテルまで運転を頼むことに。翌朝、食事会にパートナーが必要となったルイスは、ヴィヴィアンに1週間の契約を申し出る。パーティー用のドレスを買いに行ったヴィヴィアンは、ブティックを追い出されてしまい……。 「ボクらを作った映画たち」の中で明かされていましたが、最初に書かれた脚本ではハッピーエンドではなかったそう。タイトルも「Three thousand(3000)」でした。ルイスがヴィヴィアンに払う予定だった、一週間分の報酬「3000ドル」がタイトルだったんです。 ですが、製作会社が変わり、監督がゲイリー・マーシャルに決まると、初稿を書いた脚本家のJ・F・ロートンはクビにされてしまうんです……。 ハリウッドのはずれ、あまり治安のよくない地域でセコセコと脚本を書いていたJ・F・ロートン。ドーナツ屋さんや、道ばたで娼婦たちから聞いた話をもとに、原案を書き上げます。 ただ、主人公が娼婦だったり、ルームメイトがジャンキーだったりと、内容的には“ディズニーぽく”ない。ディズニーには“明るさ指数”という評価軸があるそうで、もともとの脚本は4という評価でした。それをなんとか7まで引き上げ、おまけにラストも大幅に変更したそう。 おかげで「不朽の名作」と呼べるロマンチックコメディが誕生したわけです。 当時、アワアワしたお風呂に憧れました。 (画像はIMDbより) 30年前のバブルバス用の石けんでは、こんなに盛大に泡立たなかったんですよね。そこで5つくらい投入して、洗面器でせっせと湯船を撹拌するという、超絶しんどい作業をやりました。ようや

トークショー「ユ・ビョンジェの言いたいことが言えない」#814

インターネットで誹謗中傷をくりかえす人のことを、英語で「インターネット・トロール」と呼ぶそうです。 トロールとは、「妖怪=少数者」のこと。日本では「ネット民=民衆」扱いですが、英語圏では「特殊な少数者」と認識されているのだとか。 この違いは大きいな。 劇作家で演出家の鴻上尚史さんと、評論家の佐藤直樹さんの対談本『同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか』で紹介されていました。 ☆☆☆☆☆ 『同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ 会話の成立しない「インターネット・トロール」の言動は、日本でもニュースになったりしていますが、状況は韓国も同じ。“匿名”の影に隠れて、有名人に対して言いたい放題なことが起きています。 でも、総務省の調査によると、Twitterの匿名利用は、日本がダントツに多くて75.1%。アメリカや韓国は30%台でした。 出典:総務省「ICTの進化がもたらす社会へのインパクトに関する調査研究」(平成26年) あることないこと言われっぱなしになるのは気の毒だなーと思っていたら、誹謗中傷の言葉を逆手にとって、トークショーをおこなったコメディアンがいました。 韓国のコメディアンであるユ・ビョンジェは、トークショー「ユ・ビョンジェの言いたいことが言えない」で、自分に対する批判と、今の韓国社会が抱える問題を、見事に笑いに変えています。 ☆☆☆☆☆ トークショー「ユ・ビョンジェの言いたいことが言えない」 https://www.netflix.com/title/80223582 ☆☆☆☆☆ わたしが知っている韓国のコメディアンといえば、キム・ジェドンでした。わたしの好きなロック歌手ユン・ドヒョンの親友だからです。 (左がキム・ジェドン、右がユン・ドヒョン。画像はMBCニュースより) キム・ジェドンは政治の圧力があった時代にも、果敢に政治ネタを取り上げたり、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の追悼式で司会をしたりして、番組を降板させられていました。 「韓国の芸能人は政治ネタを避けない」と言われていますが、保守政権に対する激しいツッコミは、風当たりも強かったんです。 政治ネタをジョークにしているユ・ビョンジェも、トークの中で「キム・ジェドンのマネしやがって」と、悪口を書かれたと語っています。 「小説『82年生まれ、キム・ジヨン』を読んだ」といった