“運命は自分で変えられる。未来は誰にも分からない”
1985年に公開された映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のテーマは、そのまま製作現場の想いでもあったようです。
売れない監督ロバート・ゼメキスと、大学の同級生でこちらも売れない脚本家のボブ・ゲイルが作り上げたストーリー。多くの支援とどんでん返しの果て、ようやく公開された映画は大ヒットし、第58回アカデミー賞で脚本賞などにノミネートされました(受賞は音響効果編集賞のみ)。
映画の人気を受けて、パート2とパート3も製作され、いま、Netflixで全作配信されています。
☆☆☆☆☆
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」パート1
https://www.netflix.com/title/60010110
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」パート2
https://www.netflix.com/title/60010111
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」パート3
https://www.netflix.com/title/60024059
☆☆☆☆☆
映画を最高にエキサイティングに盛り上げた立役者のひとりといえば、マイケル・J・フォックス。テレビドラマシリーズ「ファミリータイズ」で人気になり、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の“マーティ”役をオファーされますが、当時は掛け持ちがゆるされない状況だったため断ってしまうんです。
やむなくエリック・ストルツを“マーティ”役として撮影を開始しますが、エリックはなんとこの映画を「悲劇」ととらえていたのだそう。
だいぶ雰囲気違うで!!!
というわけで、撮影が6週間、全体の3分の1ほども進んでいるにもかかわらず、ゼメキス監督は主役の交代を決めるんです。
現場のスタッフの中には、それを聞いて泣き出した方もいたそうです。そりゃそうですよね。6週間の苦労が吹っ飛んでしまうんですもん。
仕事をしていてやりなおし作業になった時、わたしの周囲でよく使われる励ましの言葉があります。
「2回目は速いから」
一度経験しているので、手順や気を付けるポイントが分かっているから、ホイホイと速く進むんです。これ、ほんとうに。
映画のスタッフもそう感じたのかどうか分かりませんが、2回目だからこそ生まれたアイディアもあったらしく、自分が求める水準に達するまであきらめないことは大事なのだなーと思わせます。
今もなお、SF映画の最高傑作のひとつに挙げられる「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズ。
ただ、あらためて見直してみて、「ああ、とてもホワイトでマッチョな映画だったのだな」と感じました。
映画の舞台は
1985年
↓
1955年
↓
2015年
↓
1885年
↓
1955年
とウロウロしますが、主要な登場人物はすべて白人。黒人は後に市長になる人物とバックバンドくらい。ヒスパニックもアジア人もいません。
そもそもマクフライ家の男たちによる、“チキン野郎”な性質を克服する物語なので、女性たちはその周囲で乱暴されたり、助け出されたりしているだけです。
せめてチキンでも売ってくれればよかったのに。
(画像はKMDbより)
30年以上も前の映画の瑕疵をツッコむのもヤボな話ですが、2021年にもしリメイクするなら、家族の構成もずいぶん違うかもしれませんね。
とはいえ、身体の異変を感じつつ、続編のためにカメラの前に立ち続けたマイケル・J・フォックスの役者魂には拍手を送りたい。
“運命は自分で変えられる。未来は誰にも分からない”
だから、いまを精一杯生きたい。
運命は自分でつくる。
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