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映画「新しき世界」#293


「アメリカに“ハリウッド”があるように、韓国には“忠武路”という町があります」


第92回アカデミー賞で「パラサイト 半地下の家族」が脚本賞を受賞した時、ポン・ジュノ監督と共同で脚本にあたったハン・ジュヌォンは、そう挨拶していました。「この栄光を“忠武路”(チュンムノ)の仲間たちと分かち合いたい」。泣けるなー!



1955年に「大韓劇場」という大規模映画館ができたことをきっかけに、映画会社が多く集まり、“忠武路”(チュンムノ)は映画の町と呼ばれるようになりました。


一夜にしてスターに躍り出る人や、その浮き沈みも見つめてきた町です。


リュ・スンワン監督×ファン・ジョンミンの映画「生き残るための3つの取引」での脚本が評価されたパク・フンジョン。韓国最大の映画の祭典で、最も権威のある映画賞である「青龍映画賞」で、彼自身は脚本賞を受賞。映画も作品賞を受賞し、一躍“忠武路”の注目を浴びることに。


そうして、自らメガホンを取った作品が「新しき世界」です。

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映画「新しき世界」

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(画像リンクです)

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<あらすじ> 韓国最大の犯罪組織のトップが事故死し、跡目争いに突入。組織のナンバー2であるチョン・チョンは、部下のジャソンに全幅の信頼を寄せていますが、彼は組織に潜入した警察官でした。この機会にスパイ生活を止めたいと願い出ますが、上司のカン課長の返事はNO。組織壊滅を狙った「新世界」作戦を命じられ……。


あらすじを読んでお分かりのように、思いっきり「ゴッドファーザー」と「インファナル・アフェア」のミックスジュース特盛り「仁義なき戦い」スパイス風味入りです。

無節操といえばそうですけれど、名作のオマージュはヘタをすると二番煎じの域を出なくなっちゃうと思うんです。よいところが薄まっちゃうというか。人気作の続編が、「あれれ?」となるのもそうですよね。ですが。

名作と名作を合わせたら、一大名作ができた。

そんな感じで、やっぱり構成がうまいなーと感じました。

パク・フンジョン監督が脚本を担当した「生き残るための3つの取引」は、警察内のエリートと非エリート、検察官というトップエリートとの闘いを描いた映画でした。いわゆる「善人」がまったく出てこないピカレスクストーリー。

一方の「新しき世界」は、暴力団組織の内部抗争に警察が介入していく話です。組織のナンバー2であるチョン・チョンを演じるのは、ファン・ジョンミン。華僑という設定なので、中国語でのやり取りもあり、悪人感満載なのですが。


どうにも憎めないキャラクターなんですよね。


空港に到着した時は、真っ白なジャケット、足下は裸足でスリッパ履いてます。お出迎えのイ・ジョンジェたちスーツ集団とのギャップに笑っちゃう。このシーンは実際の空港で撮影したそうで、一般客にジロジロ見られて恥ずかしかったんだとか。

(画像はIMDbより)

若かりしころの“出入り”の時はこんなファッション。狭いエレベーターの中で襲われ、格闘するシーンは凄絶でした。知性と情と狂気のバランスが絶妙で、いままで見たファン・ジョンミンの中で、一番好きかもと思いました。

(画像はIMDbより)

ファン・ジョンミンはもちろん、組織の中でのスパイ活動に苦悩する経済ヤクザ、実は警察役のイ・ジョンジェ、危険を承知で揺さぶりをかけるけど苦悩する上司役のチェ・ミンシク。スター級の俳優による豪華共演に、ゾクゾクです。


チェ・ミンシクが主演した「オールド・ボーイ」が、第57回カンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを受賞し、“忠武路”のスターとなって10年。すっかり貫禄がついていました。渋みのあるいい俳優ですよ。

(画像はIMDbより)

この映画は、組織の中で牽制しあい、だましあい、足を引っ張りあい、殺しあうのですが、最後まで謎なのが、元のトップは本当に「事故」で死んだのか?です。いえ、明らかに「事故」ではないのですが、誰が仕組んだことなのかは、最後まではっきりしないんですよね。


もう一回観て謎解きしたい。


映画情報「新しき世界」134分(2013年)

監督:パク・フンジョン

脚本:パク・フンジョン

出演:イ・ジョンジェ、チェ・ミンシク、ファン・ジョンミン、パク・ソンウン

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