学生時代、選挙カーに乗っていました。
もちろん、なにかの「候補者」として立候補したわけではありません。「ウグイス嬢」のアルバイトをしていたんです。候補者による街頭演説は、午前8時から午後8時までと決まっているため、選挙事務所から離れた地域で演説をスタートする日は、朝の6時くらいに出発することもあり、なかなかのハードワークでした。
選挙の現場なんて、見るのも初めて。派遣される党によって、お弁当の“豪華さ”が違うんだなーとか、候補者の年齢によって休憩時間が違うんだなーとか、分かりやすい部分で差を感じていました。
それでも、情勢のニュースが出た翌日なんかは事務所の中がピリピリしていることもあり、真剣勝負の怖さを感じたものでした。
「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちれば“ただの人”だ」とは、大野伴睦の言葉だそうですが、誰だって“ただの人”にはなりたくないですもんね……。
そんな代議士を選ぶ第49回衆議院議員総選挙の投票日が、今週末10月31日に迫っています。
与党で過半数を獲得できるのかが注目されていますが、わたしが毎回気になっているのは投票率です。今回は、どれくらい“上がる”のかを、いつも期待して見ているのですが、なかなか爆上がりはしませんね……。
ちなみに、2017年10月に行われた第48回衆議院議員総選挙の投票率は、53.68%でした。
『コロナ時代の選挙漫遊記』の著者であり、フリーライターの畠山理仁さんは、選挙に行かないことに対して、こう語っています。
全国15の選挙を取材したルポルタージュ『コロナ時代の選挙漫遊記』を読むと、なるほど、こんなエキサイティングな「大会」に積極的に参加しないのはもったいないことがよく分かります。
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『コロナ時代の選挙漫遊記』
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昨年行われた東京都知事選で、「スーパークレイジー君」という党があったのをご存じでしょうか?
またオモシロ系が出てきたのかしら……と、スルーしてしまったのですけれど、本を読んで、とても真剣に勝負していたことを知りました。300万円もの供託金を払ってまで挑戦するんですもん。そりゃそうですよね。
この方の演説を、生で見てみたかった。もったいないことをしてしまった。
こんな風に後悔しないで済むように、畠山さんは、選挙期間中はできるだけ候補者を生で見ることを薦めておられます。
とはいえ、タイトルにあるように「コロナ時代の」選挙活動は、人と握手できず、顔を見せられず、人のいないところに演説に行くんです。迷い、翻弄される選挙事務所の姿も見ることができます。
ただ、マニフェスト見たり、演説を聞いたりしても、「この人に投票したい」と思える人に出会えないこともありますよね。
当然です。
選挙の候補者というのは、フルオーダーメイドではなく、セミオーダーメイドなのだから。
この言葉にあって、本当にハッとしました。
当選した議員に要望を伝え、育てる意識がないと、100%満足できる人なんているはずがない。おまけにその結果は、生活と命を守ることになる。
自分の権利である一票をムダにしないために。投票の前に、ぜひご一読を!
選挙の現場を見てみたい方にお勧めなのが「なぜ君は総理大臣になれないのか」 です。
いまNetflixやAmazonプライムで配信されています。どれだけの真剣勝負なのかが感じられるので、安全地帯からヤジを飛ばそうなんてかっこ悪いことはできなくなりますよ。
Netflix
https://www.netflix.com/title/81424088
Amazonプライム配信
丁寧なご感想をいただき嬉しいです。ありがとうございます!
返信削除ブクログでこの本の書評を記載しようとして、ブログに行きつきました。この本は筆者が選挙を通して民主主義の大切さを伝えようという熱い思いで書かれた素晴らしい本でした。話は変わりますが、私は香川1区に住んでおり、10月の衆議院選挙で初出馬(H15.10月)から応援していた小川淳也さんが小選挙区で自民党候補を破ったこと、本当に嬉しかったです。これから新しく素晴らしい時代が来るよう期待しています。もちろん、私も頑張ります。素敵な年をお迎えください。ありがとうございました。松村 訓明(まつむら のりあき)
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