「○○は美容にいい」「△△を食べて痩せた」
これらの謳い文句は、本当なのか?
製品の「機能性」ではなく、「気のせい」なのではないか?
そんな指摘にドキリとする本が、松永和紀さんの『効かない健康食品 危ない自然・天然』です。
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『効かない健康食品 危ない自然・天然』
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著者の松永さんは毎日新聞社の元記者で、現在は科学ジャーナリストとして活動されています。「Food Communication Compass」という、科学的根拠に基づく食情報を提供する消費者団体を設立。いまは団体を離れておられるようですが、webサイトの情報もけっこう充実しています。
わたしはマーケティングの会社に勤めていて、校閲ガールをしながら、薬機法管理者としての仕事をしています。スキンケア商品や健康食品などのプロモーション施策に、「こうした表現は使える?」という相談を受けるのが仕事です。そこで日々、感じること。
できないことを求めすぎ!
さまざまなレイヤーの人が絡む分、知識量が違うので仕方ないのでしょう。「そんな効果があるのは医薬品だけでは」とか、「外科的手術を受けないと、そんなことムリでは」と疑問に思うこともよくあります。
一方で、何年も前に作られた法律の範囲と、技術の進歩が合っていないとも感じます。どんどんと新しい成分が作られるのに、法律が追いついていない、ともいえる状況かな。
ちょっともったいないと思う気持ちもありつつ、それでもやっぱりタチが悪いと言わざるを得ないのは、健康食品の広告です。
同じ画像を使い回していたり。
どうせなら10kgがいいなと思ってしまうよ。
「痩せすぎて怖い」んじゃなくて、「病院に行った方がいいよ」という画像によるアオリも多い。
ちなみに、全部違う商品の広告です。念のため。
ゲームをしたり、YouTubeを見たりしながら、愉快な(?)広告を集めるのが趣味になりました……。
広告を配信する側でも動きがあって、popInが広告審査を強化することを発表。今後は、よりホワイトな方向に向かうのでしょうか。
健康食品の市場規模は、2020年度で1兆5千億円ほど。コロナ禍で多少の変動はあるようですが、かなりの大きさですよね。
『効かない健康食品』では、ブルーベリーやしじみなどの食品や、DHAやグルテンといった成分について、巷で信じられている「効果」と現実が解説されています。
こうした特定の食べ物が、健康や病気に及ぼす影響を課題に信じる現象のことを「フードファディズム」と呼ぶそう。わざと“勘違い”したり、恣意的なグラフを使ったり、表現方法は多様です。
広告文句に過大な期待を寄せてしまうのは、わたし自身が無知なせいもあります。
成分の効果=製品の効果ではない。
どういう効果を持つ成分であれ、吸収してどう使うかは身体次第。広告に踊らされないためにも、こうした基本をちゃんと知っておきたい。
身体は、食べたものでできているから。
健康食品だけでなく、食べ物(特にスイーツ系)の流行を追った書籍なら、畑中三応子さんの『ファッションフード、あります。』があります。なつかしいもいっぱいあります。
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