人間誰しもお世話になる場所、トイレ。
「アイドルはトイレに行かない」なんて、真剣に語られていた時代もありましたね。そんな時代の「おじさん(失礼!)」ふたりが、真剣に「シモ」の問題に向き合った本が『うんちの行方』です。
タイトルどおりの本なので、あんまりご飯を食べながら読むものではないです。でも、ところどころにずっこけるほどの爆笑問題が仕込まれていて、知らず知らず引き込まれていく「うんち」の世界でした。
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『うんちの行方』
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ダンナの「お腹“クルクル”病」に、病名らしきものがあると知ったのは、2007年9月ごろのことでした。このころ、何があったかはググってみてください。
我が家で「お腹“クルクル”病」と呼んでいる症状とは、こんなものです。
ご飯を食べたら、すぐに“クルクル”。
気持ちがアワアワしたら、すぐに“クルクル”。
ダンナとどこかに出かける時は、常にトイレの場所を確認してスケジュールを決めるくらい。
世の中には意外と「お腹“クルクル”病」に悩む人が多いことを知ったのは、『タイムマシンで戻りたい』という本によってでした。「日本うんこ学会」という、現役のお医者さんが立ち上げた、いたってマジメな組織が編集しています。爆笑の連続なんだけど。
韓国の水原には、「解憂斎(ヘウジェ)」というトイレ博物館があります。元水原市長で、世界トイレ協会会長だった故・沈載徳(シム・ジェドク)さんの自宅を博物館として開放したもので、昔のトイレや世界のトイレを展示。家自体、トイレの形をしています。
なぜ、ここまでトイレにこだわったのか。
トイレの衛生環境を整えることが、暮らしを快適にするからです。市長在職時にトイレの文化改善運動を実施したのだそう。
たしかに、海外から日本に帰ってきて、成田や羽田でトイレに行くと、「ジャパ~ンのトイレはサイコー!」と感じますよね。実際、日本のトイレ機能は、世界一進化していると思います。
そんな最高のトイレを、マドンナやハリウッドスターが買って帰ったことが、『うんちの行方』にも紹介されています。
便器や室内の快適さについて、よく目にする・語られるのは、そこで使われる「商品」が多いからでしょう。でも、「用を足した」後、その「モノ」自体はどうなってしまうのか?
寝台特急では?
富士山では?
タワーマンションでは?
といった、場所と処理の歴史について調査したのが『うんちの行方』なのです。
日本の水洗トイレ率は、2020年の時点で91.7%と、かなり普及率は高め。ただし、早く普及が進んだ都市部ほど、雨水と一緒に流す「合流式」が多く、下水道の老朽化も進んでいます。
日本全国の下水管は48万キロメートル(地球12周分)もあるそうで、そのすべてをチェックするのは不可能。だから腐食しやすいところをピンポイントで点検しているとのこと。もちろん、担当の方が直接、下水管の中に入ってくれるのです。
感謝しかないな……。
集中的に豪雨となって、下水があふれる事故も増えています。わたしたちの生活は、ヒジョーにビミョーにギリギリのバランスで成り立っている。そんな当たり前だけど、見えなかった世界について知ることができる一冊です。
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