日本が誇るコンテンツといえば、マンガやアニメです。
なかでも「ゴジラ」は、ハリウッドでもリメイクされ、世界的に有名なキャラクターになっていますよね。
そのゴジラに庵野秀明監督が挑んだのが2016年。映画の公開直前に出版された、長山靖生さんの『ゴジラとエヴァンゲリオン』は、「ゴジラ」と「エヴァンゲリオン」の歴史を紐解いた本です。
☆☆☆☆☆
『ゴジラとエヴァンゲリオン』
https://amzn.to/3iqNQju
☆☆☆☆☆
「特撮」と「アニメ」は似たようなカテゴリだと思っていたのですが、実際のファン層は少し違うのだそう。おまけにどちらの表現方法が優れているかを巡って、対立することもあったのだとか。
庵野秀明監督による「シン・ゴジラ」への挑戦は、その両者をつないだものともいえます。
☆☆☆☆☆
映画「シン・ゴジラ」
https://amzn.to/3w7C7uf
☆☆☆☆☆
「シン・ゴジラ」に笑い、シリーズ完結編となる「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を見終えたいま、2本の映画を振り返るにはぴったりの本です。
先日、なにかの映画を観に行ったとき、庵野監督の次回作である「シン・仮面ライダー」の予告編を映画館で観て、思わずうーんとなったものでしたけど。
「シン・仮面ライダー」超特報
それはさておき、日本が誇るコンテンツである「アニメ」と「特撮」。経済産業省のホームページにも、「クールジャパン戦略」としてマンガやアニメを打ち出していくと書かれています。
https://www.cao.go.jp/cool_japan/about/about.html
またまた余談なのですけど、上の大人向けのサイトより、「キッズ・インタビュー」の方がはるかに分かりやすいです。文字文字しくないからかもしれないけど、なぜこうなる……。
https://www.meti.go.jp/intro/kids/interview/cool_japan/
AIとホログラムで蘇った、歴史上の偉人たちがパンデミック下にある政治を立て直す小説『もしも徳川家康が総理大臣になったら』でも、経済産業大臣の織田信長と、財務大臣の豊臣秀吉がリモート万博を企画し、アニメコンテンツをアピールするシーンがありました。
「クール(かっこいい)」で「ポップ」なイメージのあるコンテンツ戦略ではありますが、「ゴジラ」も「エヴァンゲリオン」も、作品の背景には戦争の影があります。
特に第1作目の「ゴジラ」が公開された1954年当時は、制作スタッフのほとんどが戦争体験を持っています。作品にもその影響が濃く現われているそう。
映画に関わる、ぼーーーーーだいな量の人・事件・資料から、ふたつの「異形の怪物」が、どうやって受け入れられ、人気を博していったのかが綴られています。
黒川伊保子さんの『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』には、「濁音は強いイメージがあるため、怪獣の名前に使われることが多い」とありましたが、たしかに「ゴジラ」も「エヴァンゲリオン」も濁音が入っていますね。
そして『ゴジラとエヴァンゲリオン』では、両者が象徴しているものについても考察されています。どちらにも描かれているのが、「現実逃避」。怪獣が象徴する「強さ」に対する、人間の弱さ、畏れ、みっともなさ。それらがあらためて迫ってくるように思えた。
著者の長山靖生さんは、もともとは歯医者さんなのだそうです。子どものころから怪獣が好きで、恐竜も好きになり、その分類の指標となる「歯」に興味を持った結果、歯医者になった、という方です。
すげー!!!
熱意がここに連れてきた、といえる一冊。「ゴジラ」ファンにも「エヴァンゲリオン」ファンにも、おすすめです。
コメント
コメントを投稿