ああああああ、大好きな人たちがついに!!!!!
新たな命が生まれ、今ある命が終わりを迎える病院という場所。患者たちとともに生きる5人の医師を描いた「賢い医師生活」は、シーズン2の12話すべてがNetflixで配信されました。
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ドラマ「賢い医師生活」
https://www.netflix.com/title/81239224
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シーズン1は、韓国でNetflix視聴率の年間1位に輝いています。
シーズン2は、意外にも1の続きとして始まり、第6話になって一気に時間が進む、という構成。人の命を扱う病院が舞台なので、命の重さ、医療の限界を感じることもあるのですが、同時に医師の人柄に、心すくわれる場面が少なくありません。
わたしが一番泣いてしまったのが第4話。
心臓移植のドナーを待つ母たちの明暗に、ウルウル。
突然の病気報告に、ハラハラ。
そして、いつもクールで、ちょっとイケズなジュンワンの配慮に、ついに涙腺が……。
ジュンワンはSNSが苦手なため、後輩のジェハクが使い方を教えてあげるんです。ある日、ひとりでコソコソやってるから、遠距離恋愛中の彼女になんか送ったのかなーと思うじゃないですか。
その後、いつもICUでひとりぼっちだった患者のもとを、多くの人が訪れるようになります。
実はジュンワンが、SNSで話相手を募集していたのでした。
こんなステキなSNSの使い方ってある!?
ジュンワン先生だけでなく、この病院にはおよそ“争い”というものがないんですよね。韓国ドラマお得意の「愛憎劇」や「復讐劇」もない。なにより、人の温もりを感じられるドラマでした。
メインの5人は、ソウル大医学部出身の同級生、かつ、バンド仲間です。
・イ・イクジュン(常に冗談を言っている肝胆膵外科医)
・チェ・ソンファ(“鬼神”と呼ばれる脳神経外科医)
・アン・ジョンウォン(“仏様”と呼ばれるクリスチャンの小児科医)
・キム・ジュンワン(いつもクールな胸部外科医)
・ヤン・ソッキョン(“クマ”が愛称の産婦人科医)
それぞれに外来、手術、学会、レジデントの指導と忙しい中、恋をし、家族の問題を抱え、成長していきます。
シーズン2は2020年~2021年の話のはずなのですが、実はドラマに「描かれていないもの」があります。
新型コロナウイルスです。
舞台が病院なのに、感染症の話は一度も出てきません。町行く人も、誰もマスクをしていない。
現実社会では、韓国国内の感染者数の累計が28万人を超えており、ちょうど昨日は「秋夕(旧暦8月15日)」という祭日でしたが、政府は帰省を控えるように呼びかけています。
そんな中で、描かれない感染症の話。でも、シーズン2でひしひしと伝わるものがありました。
医療従事者への感謝の気持ちです。
新生児室の看護師の首に貼られた湿布。寝不足でも患者を見舞ってしまうレジデント。取材依頼に対して「チームでなら」と断る教授。清掃のおばちゃんにも、警備員のおにいちゃんにも等しく声をかける医師。誰よりも先に、日々の看病をしていた家族をねぎらう言葉。お互いの不安を支えるはげまし。
いまできることを、誠実に果たす人たちのおかげで、医療は成り立っている。
ふだんの診療や検診では見えないところまで描かれているので、自然と湧き上がってくるんです。
感謝の気持ちが。
新型コロナウイルスについて触れないのは、「特定の時期を描いたドラマ」にしたくなかったからかもしれません。それでも、いまの状況をまったく無視した構成ではないんですよね。描かれないことで湧き上がる想いに、ものすごく涙があふれました。
「賢い医師生活」には、特殊な技術を持つ、スター医師は出てきません。院長の座を巡る争いもない。
ヒーローはいない。
ただただ、すべての人がスーパーミラクルな人生を生きているのです。
ドラマ制作にあたった関係者みなさんに感謝。世界中の医療従事者に感謝。
シーズン2のラストは、
「退勤時間じゃないか」
というセリフで終わります。ドラマの中では、「退勤時間」どころか、夜中でも、明け方でも、電話1本で駆けつけていたのに。
医師や看護師にとって、いま一番欲しいものが「退勤時間」なのかもしれないですね……。
シーズン3までゆっくりと休んで、また充実したドラマをみせてほしい。
ドラマ「賢い医師生活」シーズン2 tvN 12回(2021年)
監督:シン・ウォンホ
脚本:イ・ウジョン
出演:チョ・ジョンソク、ユ・ヨンソク、チョン・ギョンホ、キム・デミョン、チョン・ミド、キム・ガプス、キム・ヘスク
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