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ドラマ「このエリアのクレイジーX」#806


“憤怒調節障害”の男性と“強迫性障害”の女性が、サイアクな形で出会ってしまったら。

起きるのは、破滅か、純愛か。

チョン・ウとオ・ヨンソのラブコメ「このエリアのクレイジーX」は、心に傷を抱えたふたりの勘違いに、クスッとなるドラマです。

現在公開中の映画「偽りの隣人 ある諜報員の告白」で、“愛国心の強い”諜報員を演じたチョン・ウ。ドラマ「応答せよ1994」で一躍有名になりました。

(画像リンクです)


でも、このドラマ観てない……。

そこでもう一本の主演ドラマであり、「応答せよ1994」以来のドラマ出演となった「このエリアのクレイジーX」を紹介します。

☆☆☆☆☆

ドラマ「このエリアのクレイジーX」

Netflix配信
https://www.netflix.com/title/81430301

☆☆☆☆☆

<あらすじ>
警察官のノ・フィオと、イ・ミンギョンは、家が隣同士で、かかりつけの精神科医も同じ。関りを持たずにいる方がお互いの為なのに、なぜかことあるごとに顔を合わせる羽目になり……。


序盤は笑えるシーンは多いものの、とにかく叫ぶ、怒鳴るの繰り返し。だんだんと過去が明らかになっていく第5話目くらいから、ようやく落ち着いて(?)観られるようになりました。

コミュニケーションアプリといえば、日本では「LINE」がライフラインに近い存在になっていますが、韓国で使われているのは「Kakao Talk」の方。

韓国ドラマでもよく「カトがさ~」なんて形で使われています(カオークの略)。

「Kakao Talk」を運営する「Kakao」は、最近コンテンツ企業を買収しまくっているそうで、ウェブトゥーンと呼ばれるネット漫画や映像制作にも力を入れているそう。


「このエリアのクレイジーX」は、人気配信サイト「KAKAO TV」と「Netflix」が製作したドラマなんです。

1話につき1億円以上が投資されたといわれる「愛の不時着」などに比べると、ちょっと地味な印象はありますが、生きづらさを抱えた人を包み込む、愛にあふれたストーリーでした。

女性の自立やセクハラとの闘いがテーマとなるドラマが増えた中、「このエリアのクレイジーX」はちょっと違う。

「男らしさ」との向き合い方を描いているんです。

“憤怒調節障害”を抱えるフィオは、刑事という職業柄、腕力を使うことに抵抗がない。そして、ミンギョンを病ませた元カレ・ソノは、支配的な暴力によって人を苦しめます。また、女装趣味のプログラマーという住人も登場。

それぞれが持つ「男らしさ」が、女性にどう受け止められるのかを感じられるドラマだと思います。

やさぐれ感満載のチョン・ウは、「偽りの隣人 ある諜報員の告白」でも、使命と自分の感情の間で葛藤を抱えていました。


ロジカルシンキングが流行ったこともあって、「感情は悪」ととらえるむきもあるようですが、感情がなければ人間ではいられない。

知らない人から「クレイジー」に見えたとしても、その人にもちゃんと生きる場があるのが理想の社会かもしれない。

わたしだって誰かからみれば、「クレイジー」なのだから。


ドラマ「このエリアのクレイジーX」Kakao TV 全13話(2021年)

監督:イ・テゴン

脚本:アギョン

出演:チョン・ウ、オ・ヨンソ


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