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がんばることをためらわない『勝負論 ウメハラの流儀』 #58


15歳で日本一に、17歳で世界大会優勝を果たしたプロゲーマーの梅原大吾さん。「世界で最も長く賞金を稼ぎ続けているプロ・ゲーマー」としてギネスにも認定されているそうです。

そんな方の「勝負論」といえば、さぞかし「勝ちにこだわれ!」な話なのかと思いきや、全然違うじゃん!となったのが、『勝ち続ける意志力』でした。この本が見当たらない(笑)ので、2冊目のご著書である『勝負論 ウメハラの流儀』を紹介したいと思います。

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『勝負論 ウメハラの流儀』

(画像リンクです)

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この本の目的は、勝ち続ける方法と、そういう自分の作り方を考えること。梅原さんの方法は、効率やセオリーを無視した、とことん地道に自分で納得するまでやる体験式なんです。

よくある自己啓発系の本には「好きなこと・得意なことを伸ばせ」とありますが、梅原さんのやり方は違います。

その世界やゲームで定石やセオリーとされているものを、「なぜそうなのか?」と疑い、いちゃもんをつけまくり、時には崩し、時には体験し、セオリーの意味を自分で再発見するまで基礎をガッツリ固めるのだろう。

いわゆる「序破急」では、序の段階は「まねる」ことを推奨されます。梅原さんの場合は、ただまねるのではなく、まねる理由を探りまくるのですね。師匠の側からするとめんどくせー生徒かもしれません。でも、基礎段階であらゆることを体験しておくので、破の段階に進んだときに爆発的に進化するのかも。

一方で、ゲームの世界が一般には評価されないことから見切りをつけ、麻雀の世界に飛び込み、ここも違うとなって介護施設で1年半働いた経験についても語っています。

“チャレンジする分野には何も直接的な関係がなかったとしても、かつて悩んだこと、体験したこと、自分なりに得た結論は、不思議に有意義な形で結びついていく。”

だから、「頑張ることにためらいを持たない」こと、自分が変化・成長しているかどうかを基準にすることを勧めています。

梅原さんは一度ゲームの世界を離れたものの、やっぱり麻雀という「勝負」の世界に身をおきます。それくらい「勝つ」ことにこだわっていた。それが、目先の勝負を手放して「勝ち続ける」ことに切り替えてから、逆に勝てるようになったのだそう。

一度の敗戦からでも教訓を集めて、自分の成長につなげているからです。

ご専門はもちろんストリートファイター系のゲームですが、学生にもビジネスパーソンにも通用する話として書かれています。

不器用でなかなか仕事が覚えられない、成長しているかどうか自信がない、など、モヤモヤを抱えている人におすすめ。

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