文章を書いていて、混乱してしまう慣用句や助詞がありませんか? あと、「なんていうんだっけ~」と思い出せなくなる時。そんな時に重宝するのがコロケーション辞典です。コロケーションとは、言葉同士のつながりのこと。
効果「を」→上げる
といった助詞のつながりや、形容詞や副詞など修飾語との相性を確認できる辞典です。その名も『てにをは辞典』。まとまった文章を書く人に超おすすめです。
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『てにをは辞典』
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たとえば「愛する」という文章を書いていて、同じ言葉が連続しちゃうなーというとき、類語辞典を引く人は多いと思います。『てにをは辞典』も同じように使えますが、より表現に即した事例が載っているんです。
心から。本気で。永遠に。極端に。真剣に。素直に。熱烈に。人波に。一方的に。こよなく。掌中の玉と。激しく。ひたすら。……
編者の小内一さんは校正者だそうで、独力で250人の作家の作品から「結合語」を採集したとのこと。その中から60万語の事例を掲載しています。
誠に「ごいすー!」としか言いようのないお仕事です。
校正者らしいなと思ったのが、表現に違和感を覚えたときや、否定形で使うのか肯定形で使うのか、相性の合う言葉を確認するためにも使える点です。
たとえば「気配」という言葉は、後に続く助詞によって相性のいい言葉があります。
気配「を」:うかがう。受け止める。帯びる。探る。振りまく。
気配「に」:脅える。気づく。耳を澄ます。異常な~口もきけない。
~気配:怪しげな。忙しそうな。恐ろしげな。静謐な。ひそやかな。
こんな感じで、『てにをは辞典』というタイトル通り、「てにをは」の助詞を中心に編成されています。語句から探したいよというときは、兄弟版に『てにをは連想表現辞典』というのもあります。
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『てにをは連想表現辞典』
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こちらは慣れないと探し方がちょっと難しいかもしれません。大分類(見出し)と用例(引き出し)に分かれています。索引を使うと便利。
引き出し:くどくど(文句を言う。言わずに引き退る)/何度(言ったか知れない。見ても飽きない)/蒸し返す(前のことを。別れ話を。折に触れて。ねちねちと)
どちらも、意外な表現から連想が広がっていくおもしろさを味わえる辞書です。ただし、言葉の意味は載っていないので、「おお、これ!」という表現をみつけたら、そしてそれが自分では使ったことのない言葉なら、再度国語辞典で確認することをおすすめします。
おもしろそうだけど、わざわざ高い辞書を買うのはちょっとなーという方は、webで使えるコロケーション辞典を使ってみてください。
国立国語研究所と文部科学省のプロジェクトが共同開発した「少納言」という「日本語コーパス」のサービスです。
少納言
https://shonagon.ninjal.ac.jp/
現在、閉鎖中で、代わりに「現代日本語書き言葉均衡コーパス検索システム」が公開されています。
現代日本語書き言葉均衡コーパス検索システムhttps://bonten.ninjal.ac.jp/bccwj/string_search
書籍や雑誌、新聞からサンプルを抽出しているので、膨大な量から探せるのですが、なぜかYahoo!知恵袋とYahoo!ブログを入れているので検索するときはチェックを外した方がいいです。ぶっちゃけノイズが増えます。
「愛する」で検索すると、こんな感じになります。
コロケーション辞典は使ってみると手放せなくなりますよ。どれもとても便利なツールで、表現をサポートしてくれる心強い相棒です。使ってみてくださいね!
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