ただのお笑い本と侮るなかれ。
福井県立図書館をはじめ、各地の図書館のレファレンスカウンターに寄せられた相談=覚え違いタイトルの実例を集めた『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』。
電車で読んではいけない系の愉快な本ですが、これはプロのお仕事の集大成でした。
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『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』
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タイトルにある『100万回死んだねこ』くらいなら、なんとなく想像がつきますよね。でも、中には、
「ブラッディーなんとかの、3色の本」
なんて相談もあるそう。
いろいろとヒントをもらって探った結果、正しいタイトルは『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』でした……。おまけに、ブレイディみかこさんが「ブラッディー」って、血まみれ男爵かいな。
そんな、“読者”の立場で読むからフフフと笑えますが、相談を受ける司書さんは、決して笑うことはないのだそうです。
「あるかもしれない」
という前提で本を探すから。
古典などの場合は、新訳がでたときにタイトルも改訂されることがありますし、映画の原作本の場合はタイトル自体が変わっていることもある。
だから、ただの「おもしろい勘違い」とは言い切れないんですね。
本の編集を担当された福井県立図書館の宮川陽子さんが、好書好日のPodcastで裏話を語っておられます。
うろ覚えトークはわたしもよくやってしまうけれど、それもすべて拾ってくれるのは、さすがプロのお仕事だなーと感激しながら読みました。
地図のない宝探しであり、未開の地を探検するような世界。
正しいタイトルの本の紹介も付いているので、せっかくだから読んでみたいな……となること請け合いです。
くれぐれも、電車の中で読んじゃいけませんよ。
福井県立図書館サイトの「覚え違いタイトル集」はこちら。
http://www.library-archives.pref.fukui.lg.jp/tosyo/category/shiraberu/368.html
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