親戚の「おじさん」のことを、なんて呼んでいますか?
韓国語を勉強していて一番おどろくのは、「呼称」の多さです。親戚ご一同様の呼び名なんて、まったく覚えられない。父方、母方、父より年上か年下か、父の兄の奥さんは……といった感じで、どんどんと広がっていきます。
日本語は「兄弟」か「姉妹」くらいかな、と思っていたら、そんなことは全然なかったんです。『日本語使いさばき辞典』という、日常語を検索ワードとした構成の辞書には、
・家族の中で年長の男性をいう「兄」
・家族の中で年長の女性をいう「姉」
・家族の中で年下の男性をいう「弟」
・家族の中で年下の女性をいう「妹」
・それぞれの呼称
という見出しで言葉が並んでいます。日本語も十分多かった。
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『日本語使いさばき辞典』
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この辞典は一般的な辞書の感覚で引こうとすると、ちょっと分かりにくいかもしれません。巻末に「分類キーワード目次」があるので、そこをまず見るようにしています。
「川」という身近な言葉ひとつとっても、日本語の表現は多様です。
・速さ、位置などからみた「川」:急流、早瀬、河口、御手洗川
・様態からみた「川」:流れ、合流、古川、清流
・種別、名称などからみた「川」:名川、鵜川、杣川、岸辺
・季節、行事からみた「川」:秋水、川涼み、川祓え、五月川
こんな言葉があるんだなーと思いながら、いつか使ってみたいと思う言葉を発見して妄想するのも楽しい。
「秋水」なんて、文字だけ見るといまの季節にぴったりじゃないですか?
ですが『広辞苑』で「秋水」を引いてみると、こんな意味も載っていました。
①秋の頃の澄み渡った水の流れ。
②秋季の洪水。
③転じて、曇りなくとぎすました鋭利な刀。
おお、まさか洪水も指すことがあるなんて。
『日本語使いさばき辞典』には言葉の意味は載っていないので、「単語の厳密な意味を確認したい場合には、『国語辞典』あるいは『漢和辞典』を援用してください」と注意書きがあります。
どんな場面で使われるのかを確認したいなら、日本語コーパスサービスの「少納言」や『てにをは辞典」で検索するのがおすすめ。
「少納言」は、国立国語研究所と文部科学省のプロジェクトが共同開発したサービスです。
少納言
https://shonagon.ninjal.ac.jp/
現在、閉鎖中で、代わりに「現代日本語書き言葉均衡コーパス検索システム」が公開されています。
現代日本語書き言葉均衡コーパス検索システムhttps://bonten.ninjal.ac.jp/bccwj/string_search
主要な季語も掲載されているので、俳句などする方にもいいかもしれません。いつもの表現に多彩な色を当ててくれる辞書です。
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