映画の公開20周年を記念して、「ハリー・ポッターと賢者の石」が初の3D化されました。体感型の4DXやMX4Dで上映されています。
映画を「配信」するサービスが増え、パソコンやスマホでも映画が観られるようになったいま、「劇場で観る楽しみ」を、最大限与えてくれる上映方法だと思います。
でも、なぜか、4D映画ってモヤッとしてしまう……。
クィディッチゲームの疾走感や、チェスの駒が破壊されるシーンの緊迫感は倍増されていたので、こうした場面の再現率、体感度は以前に比べてかなり上がってきたように感じます。
(画像はIMDbより)
それでも、稲光、爆風や水滴など、ストーリーとのズレを感じてしまう。
むかし観た4D映画では主人公が「GO! GO!」と走り出すシーンで、スポットライトがピカピカと点滅していたんですよね。わたしの頭の中で、「パラリラ パラリラ~」という暴走族のバイクの音が再生されてしまいました。
そうしたストーリーとは関係のない効果は減り、洗練されてきた感じはするものの、やっぱりスッキリしないものは残るのです。
4D映画はなぜモヤるのだろうと考えていて、「誰の目線で映画を観ればいいのか混乱する」からかもしれないと気がつきました。
ここで、あらためて4D映画について説明しておきます。
4D映画とは、映画に合わせて光や風などの演出が施された、アトラクション型の「映画鑑賞設備」のことです。
2D映画でも、4D映画の設備で上映されなら、4D映画になります。今回わたしが観た「ハリー・ポッターと賢者の石」は、3D映画の4D上映でした。
日本で導入されている4Dシアターは2種類。韓国のCJ 4DPLEX社が開発した4DXと、アメリカのMediaMation社が開発したMX4Dです。わたしは今回、TOHOシネマズで観たのですが、導入しているのはMX4Dのほうでした。サイトによると、体感できる環境効果はこちら。
・シートが上下前後左右に動く
・首元、背後、足元への感触
・香り
・風
・水しぶき
・地響き
・霧
・閃光
なるほど、のっけからシートがジェットコースターのように揺れ、風が吹きつけ、地響きも、ふくらはぎに礫が当たるような感触も体験できました。
人間社会で虐待されながら育ったハリー・ポッターは、ハグリットと出会うことで初めて魔法の世界に触れることになります。
ホグワーツ魔法学校で魔法について学び、ほうきで空を飛ぶことにも挑戦。もちろん、同級生たちも魔法使いですが、そこはまだみんな初心者。あちこちで失敗が起きます。
そのたびに、プシューと風が吹いたり、シートが揺れたりします。で、それがスクリーンの中の「誰が」体験したことを、わたしが体験しているのかが分からないんですよね。
ある時はハリーと一緒にプシュー。
ある時はハリーの隣の友人と一緒にプシュー。
「映画の中に入り込んだような体験」のはずが、スクリーンの中の誰の体験と共鳴しているのかが不明なのだと思います。
これまでの映画鑑賞は、登場人物の誰かに共感しながら観るものでした。4D映画が「まったく新しい映画体験」を謳うということは、こうした見方を引きずるな、ということなのかもしれません。
あー、あとひと息。ストーリーと融合した体験がほしい!
ロンドンのキングスクロス駅には「ハリー・ポッターショップ」があって、9 3/4ホームを模した壁で写真を撮ってもらうことができます。映画の撮影が行われたリーブスデン・スタジオでは、セットの見学も可能。一日いても飽きないくらい楽しい場所です。
こちらは、ホグワーツ魔法学校の模型です。見入ってしまう。
いつか、マグルの世界と魔法の世界はもっと仲良くなれるのかしら。
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