「現場に裁量権を渡して、自ら動く仕組みを」
最近、よく耳にするようになった言葉ですが、“本当に”それを実施できている企業ってどれくらいあるのでしょう?
リッツ・カールトンの創業メンバーが書いた『最高の組織をゼロからつくる方法』は、それをチェックするのにピッタリかもしれません。かなりうらやましい気がするエピソードも満載な一冊です。
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『リッツ・カールトン 最高の組織をゼロからつくる方法』
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「お客さまに満足していただくためなら2000ドルまで自由に使ってよい」という決裁権の話は有名になりました。
たとえば、メキシコのビーチの側にあるホテルで起きた出来事があります。
新婚ホヤホヤのカップルが、宿泊中、ビーチで結婚指輪を落としてしまったのです。どんより沈むカップルのため、4人のスタッフがそれぞれの2000ドルで金属探知機を購入。ビーチを探索して指輪を発見し、朝食の席に届けたというエピソードです。この時、スタッフたちは上司の決裁を仰がずに動いたのですが、もちろん怒られることなんてなく、カップルにも感謝されました。
こんなことしてもらったら、惚れちゃう!!!
なぜリッツではこうした動きができるのかというと、会社がスタッフを「紳士淑女」のように遇すると決めているから。
“私たちも一人の紳士、一人の淑女としての誇りを持って仕事に取り組むことができる。私たちはサービス業界のドアの陰でゲストにかしずく召使いではない。”
企業人としての失敗についても率直に告白し、一年前、三年前と比較してどれだけ進化したかを基準にしているそう。
目標に向かって効率的に走ろうとするのはいいのですが、そうした人ばかりだと、周囲の人間が“手段”として使われているように感じることがあります。リッツでもやはり、改革に合わない人は去って行ったのだとか。
きちんと、人間的な関係を結ぼう。
組織作りの第一歩は、ここにあるように思います。優れた社員を育成するために必要なことは、「徹底的に繰り返すこと」。クレド(行動指針のようなもの)を作って満足してちゃダメなんですよね。
今年の新人研修で、何度も何度も何度も伝えたことがありました。
「できないのは当たり前! そこで落ち込まなくてOK!」
「分からないだけじゃなく、判断に困ったら相談しよう!」
ちょっとだいぶ違うか……。でも、新人たちに覚えておいてほしいことでした。
リーダーとなる人にはおすすめの一冊です。
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