「水面を優雅に浮かぶ白鳥も、水面下では必死に足をもがいてる」
実際には本当に「浮かんでいる」だけらしいですが、努力の必要性を説くときによく使われる言葉です。目に見えるキラキラ感と、裏側のギャップ。
それはまさに、マンガの世界に当てはめられるのかもしれません。
マンガの制作現場というと、手塚治虫が暮らした「トキワ荘」が有名ですよね。少女マンガなら竹宮惠子や萩尾望都の「大泉サロン」も聖地のように言われています。
でも、現実の世界はむしろ“シュラバ”!
『薔薇はシュラバで生まれる』の著者である笹生那実さんも、数々の“シュラバ”を経験してきたマンガ家さんです。でも、その現場が……。
美内すずえ!!!
ナマで「紫のバラの人」を見てたの!?と思ったら、その頃は別の連載をされていたそうです。とはいえ、笹生さんのマンガで再現される当時の状況は、十分に『ガラスの仮面』です。アシスタントデビューでの大失敗や、眠気さましの怪談など、“シュラバ”の様子が生き生きと(?)綴られています。
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『薔薇はシュラバで生まれる』
https://amzn.to/2SJNCsY
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マンガ家のアシスタントは、専属なのかと思っていたのですが、デビュー間もないマンガ家同士で助け合うこともあると、竹宮惠子さんのエッセイ『少年の名はジルベール』で知りました。
『少年の名はジルベール』
https://note.com/33_33/n/n11004581a61a
こちらは才能に苦悶する竹宮さんの過去が綴られています。薔薇な“シュラバ”をより味わいたい方には、こちらもおすすめ。
笹生さんは、本当に多くのマンガ家さんの現場におられたのだなーと感じます。なぜなら、紹介しているマンガ家さんの絵が、そのマンガ家さんのタッチで描かれているから。
どれほどマンガを愛し、現場を愛していたのかが伝わるお仕事青春エッセイです。
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