映画研究者・三浦哲哉さんによる、アメリカの食べ物エッセイ『LAフード・ダイアリー』。「量との闘い」というイメージが変わった。食べるって生きることそのものなんだなー。
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『LAフード・ダイアリー』#662
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映画研究者による、アメリカの食べ物エッセイです。カリフォルニアの大学で1年を過ごすことになった三浦さん。コンビニのサンドイッチから始まったアメリカ生活は、ジョナサン・ゴールドという「ロサンゼルスタイムズ」の料理評論家が評したレストラン探訪へと続いていきます。
ジョン・ファヴローが主演・監督した映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」で、技術指導をしたロイ・チョイというシェフのフードトラック「コギ(韓国語で“肉”の意味)」も出てきます。
映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」
https://filmarks.com/movies/58614/reviews/110758404
アメリカの食事というと、「量との闘い」というイメージがありました。大味で、肉! イモ!って感じだったのですが。本書に出てくる料理は、そんなイメージを覆すものでした。
もちろん、高級レストランと、庶民フードの差はあると思いますし、タコス、タコス、タコスが連続するのはカリフォルニアという土地柄もあるのかもしれません。
『大使閣下の料理人』というマンガに、「アメリカ料理というものはない」というセリフが出てきます。移民国家であるアメリカは、各自の国から持ちよった食文化が溶け合って存在しているという話でした。
マンガが描かれた時代より、さらにエスニックに進化したようなLAフード。そこから立ち上る生命力。あぁ、実際に食べてみたい。
ジョナサン・ゴールドのレストラン評、三浦さんが大学で行った「映画と牛の関係について」と題した講演録も収録。これがめっちゃ新鮮でした。映画が「牛でできている」なんて知らなかった!
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