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『韓国文学ガイドブック』と『韓国文学を旅する60章』#757


K-POP、韓流ドラマに韓国映画と、拡大を続けるK-コンテンツ。邦訳されるK文学も増え続けています。

韓国文学が海外に積極的に紹介されるようになったのは、「韓国文学翻訳院」の支援が大きいのだそう。

1990年代の後半から、K文学は世界的に広まるようになり、翻訳される言語も倍増。『アーモンド』などを出した出版社「チャンビ」の場合、翻訳の契約件数は10年前と比べ6倍も増えているそうです。


「韓国文学」コーナーのある本屋さんも増えてきましたが、こうなると「どれから読むのがいいのかしら……」という悩みもできてしまいますよね。

黒あんずさんが監修された『韓国文学ガイドブック』には、作家別のおすすめ作品がまとめられているので、おすすめです。

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『韓国文学ガイドブック』
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韓国がおかれている文化的な背景を知るためのコラムや、文学賞の紹介もあり、本を選ぶ時のガイドになってくれます。

これまでわたしは、「ジャケ買い」することが多かったんですよね。日本版用に装丁を変えることもあれば、韓国版をそのまま使うこともあるようなのですが。

韓国では、装丁のデザイン性の高さが若い読者を呼び込む理由にもなっているそうです。最近のベストセラーは、パステルカラーが多いのだとか。


初期のブームがフェミニズム本だったせいか、そのイメージが強いですが、K文学には「痛みを分かち合う」作品が多いなという印象があります。特に「クィア」の扱いは、ドラマよりも洗練されているように思います。

そして、もう一冊。

波田野節子さん・斎藤真理子・きむふなさんが編集された『韓国文学を旅する60章』は、文学を巡る豪華エッセイ集もおすすめ。

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『韓国文学を旅する60章』
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こちらはパンソリや演劇といった古典から、近代文学、民主化以降の文学まで、幅広く紹介されています。ゆっくり、じっくり読みふけってしまう本です。

この2冊は、たとえるなら、集英社文庫をのぞいてみるか、岩波文庫からはじめるか、という感じでしょうか。いつか全作品を制覇したいな……。

詩人の茨木のり子さんは、著書『ハングルへの旅』の中で、詩人なら金芝河(韓国の詩人)の詩を読んで批評すべきと指摘されたエピソードを紹介しています。

翻訳される本が増えた分、いま、翻訳家や作家がこうした評論を書く意義はとても大きいと思います。


韓国語を勉強し始め、TOPIK(韓国語能力試験)の最上級である6級に合格した頃。日本では、それ以上の勉強方法がなく、どうしようかと考えていました。

ふと、韓国語の本を100冊読めば、もっと読解と作文の力が上がるんじゃない!?と考えて、コツコツと読んでいたんですよね。たぶん53冊くらいはいったかな。

3年前に「1000日チャレンジ」を始めてから、ぶっちゃけ「それどころじゃねー」状態に陥ったので止まっています。

「1000日チャレンジ」を来年の4月まで続けられたら。

その後は、また勉強に戻りたいかな。

でも、翻訳でも味わいたい。日本のエンタメ小説にはないような表現方法に出合うと、「おっ!」となって楽しいですよ。


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