「ファイナンスを勉強しておいた方がいいよ」
とは、よく言われるのですが、この時、やってはいけないことがあるそうです。
「じゃあ、簿記の資格でも取ろうかな」
ってやつ。
もちろん、知らないよりは知っていた方がいいですが、簿記はどちらかというと実務に必要な知識。もっと大枠の経営戦略やビジネスプランをとらえるために必要なのが、ファイナンスなんではないかと思います。
とはいえ、会計のことだってよく分かってない……という方におすすめなのが、古屋悟司さんの『「数字」が読めると本当に儲かるんですか?』です。
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『「数字」が読めると本当に儲かるんですか?』
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脱サラしてお花屋さんをオープンした主人公。でも赤字ばかりが積み上がり、キャンペーンをやったり、倒れるほど働いたりするけど、右肩下がりの状況です。
そこにやってきたのは、スゴ腕の税理士さん!
こんなストーリー仕立てで、会計の知識と、商売・経営を結びつけて把握することができます。
会計と一口にいっても、2種類に分かれるのだそう。
財務会計:決算や税金のための報告書
管理会計:儲けるための羅針盤
と考えればいいらしいです。
本で取り上げられているのは、管理会計の「限界利益」という考え方です。
利益を生み出す商品構造、値付けといった“当たり前”のことが、より実務と紐付いた形で解説されるので、経営戦略を立てられるようになりたい、いずれは独立したいという方の最初の一歩にピッタリだと思います。
「売上が足りないのが、赤字の原因ではない」
って、経営を知らないわたしには「ええっ、そうなの!?」という話でした。だって、売上が上がればハッピーなんじゃないかと思っていたのに。実は、花屋さんの脱サラ社長も同じだったようです……。
まずはこの勘違いを正していくのですが、会計の知識がある人には、「ここから!?」というレベルかもしれません。
が、在庫と売上の関係や、値上げ・値下げがどのように売上に影響するのかといったことを、ビジネス視点で考えることができるので、経理担当者にもおすすめです。
著者の古屋悟司さんは、楽天で「ゲキハナ」というお花屋さんを運営されています。倒産の危機を乗り越え、V字回復に成功したというその歴史に、学ぶこと多しです。
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