日本でもっとも知名度が高いお経といえば「般若心経」なのだそうです。これをロックの調べに乗せて聴いたことはおありでしょうか?
「はんにゃーはーらーみーたー wow wow ぎゃーてーぎゃーてーはーらーぎゃーてー yeah!」
みたいな感じです。
京都にいたころ、仏教系の大学を卒業した同僚がいて、おまけに趣味がギターだったので、時々「お経×ロック」を聴かせてくれました。
こうして書くと笑い話のようですが、お経の深遠さは伝わってきたんですよね。意外とロックと相性がいいのかしら?なんて、白川密成さんの『ぼーっとする。』を読みながら思い出しました。
ふたりの娘さんとの会話、檀家さんとのふれ合い、ニュースを見て心動いた話などなど、愛媛県にある栄福寺の住職である白川密成さんの日常が、秘伝の書『理趣経』の教えと共に綴られています。
☆☆☆☆☆
『ボクは坊さん。』シリーズの3冊目だそうですが、わたしは『ぼーっとする。』が最初の出会いでした。たぶん、どこから読んでも大丈夫だと思います。
☆☆☆☆☆
『ボクは坊さん。』
☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆
『坊さん、父になる。』
☆☆☆☆☆
書店員を経て、24歳で栄福寺の住職となった白川さん。栄福寺が「四国遍路」の中のひとつであることから、外国人の方を迎えたり、宗教団体としての寺の経営を考えたり。もちろんそれは、空海の書や仏典を開きながら、です。
お経と経営!?
となりそうですが、物事の本質を説いた仏典は、悩みを受け止める懐も深いんですよね。本に紹介されている『理趣経』は、真言宗の秘伝の経典だそうで、この本の神髄を短くまとめたものが「般若心経」です。
一度読んだくらいでは、つかみきれないほど広くて深い言葉の数々ですが、逆に(?)、日常生活のエッセイは、とても心温まるお話です。
おもしろかった話をひとつ。
白川さんは、よく風邪をひくそうなんですが、「風邪をひきにくいような気がする方法」があるとのこと。
風邪の気配を感じた時は、こんな風に考えるんです。
「風邪なんてひくもんか!」と力んだりするのではなく、リラックスして「ただ、ここにいる感覚」を大切にすると、風邪をひかずに済んだことが多かったそうです。
「中庸」は儒教の考え方だけど、どちらかに偏らずバランスを取るのは同じかもしれませんね。
今週末は公園でボーッとしようかな。
コメント
コメントを投稿