年功序列の弊害や、45歳定年制が話題になるなど、日本の「働き方」は大きく変わろうとしています。
「働かないおじさん」と呼ばれる世代としては、ニュースを見るたび暗い気分になるのですよね。
そんなにジャマですか!?
そう言いたくなってしまうところもあるけれど。
歴史上、ゼロからのし上がった名将で「年功序列」の人事制度を採用していた人物はいなかったと聞くと、ああ、やっぱりという気もします。
人事と戦略のプロである北野唯我さんの『戦国ベンチャーズ』は、歴代の戦国武将の特性を人事の視点で分析した本です。
☆☆☆☆☆
『戦国ベンチャーズ』
☆☆☆☆☆
わたしは高校時代に歴史が好きになりました。これは、おもしろい授業をしてくれた高校2年生の先生のおかげです。
通常の、年表丸覚え式のテストもあるのですが、これに加えてレポートの宿題が出るんです。人物について、事件について、風俗についてなどなど、自分の好きなテーマで書くことができて、先生に「おもしろいね」と言ってもらえれば加算されます。
だから、テストの結果が「100点満点」じゃなくなってしまう。
たしか「曹操にはなぜ友だちがいないのか」みたいなテーマでレポートを書いて、10点の加点をもらいました。授業は日本史だったんですけどね……。
いま思えば、先生はどうやって成績を付けていたんだろうと心配になってきました。
閑話休題。
北野さんはというと、一番嫌いな科目が「歴史」で、この本をつくるにあたって、歴史を研究したのだそう。
徳川家康や織田信長といった戦国時代の武将たちをはじめ、『三国志』の曹操らを、“人事”目線で分析。その能力の特徴から、強みの活かし方と、パートナーとなる人物の組み合わせが紹介されています。
・創造性系
・再現性系
・共感性系
という区分けは、『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ』と合わせて読むと、より理解できるかも。
『戦国ベンチャーズ』はKindle版しかありません。紙の本に慣れている人にはとっつきにくいかもしれませんが、これなら読めますよ!!
だって、おもしろいんだもん!!
自分のキャリアを棚おろししたい人、マネジメントをしている方におすすめです。
人事戦略があたった時ほど、人と働く醍醐味を感じられることはないと思います。「働かないおばさん」と呼ばれる日まで。この年齢だからできること、わたしだからできることを、作り上げていきたい。
コメント
コメントを投稿