わたしには、こんなにも「恩人」と呼べる人がいたんだ……。
この方たちに、もっともっと、ちゃんと感謝を届けたい。
中島みゆきさんのライブツアーを集めた「劇場版 ライヴ・ヒストリー 2007-2016 歌旅~縁会~一会」を観ながら、ずっとそんなことを考えていました。
現在、劇場公開されています。
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映画「中島みゆき 劇場版 ライヴ・ヒストリー 2007-2016 歌旅~縁会~一会」
公式サイト:https://miyukimovie.jp/
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10年間のライブ映像を再構成した劇場版。「空と君のあいだに」や「地上の星」など、テレビ番組の主題歌になった曲、「糸」や「時代」といった懐かしい曲まで、名曲15曲を5.1chサラウンドで味わうという贅沢な時間でした。
もー、初っ端からボロボロ泣きっぱなし。
その曲に初めて会った時のこと、“打ちのめされて”いた時にラジオから歌が流れてきた時のこと、“くじけないで”と言われた時のこと、などなどが思い出され、そして感じたのです。
わたしはこれまで、周囲の人にとても恵まれていた、と。
そんな「恩人」たちに、どれだけ感謝を伝えてきただろう。
セットリストを見ていても、今回の劇場版は「人とのつながりと感謝」がテーマだったのではと思えてきます。それは、いまの時代に一番求められているものなのかもしれません。
糸
宙船(そらふね)
ファイト!
誕生
地上の星
空と君のあいだに
時代
倒木の敗者復活戦
世情
ヘッドライト・テールライト
旅人のうた
命の別名
麦の唄
浅い眠り
ジョークにしないか
変わりゆく社会を定点観測するように、時代時代を歌詞にしてきた、みゆきさん。「夜会」の劇場版が公開された時は、「街角のクリエイティブ」でコラムを書かせてもらいました。
このコラムにも書きましたが、わたしは10代のころから、みゆきさんのファンです。ツアーの時は京都会館や大阪城ホールに通い、高校生の時は学校をサボって東京まで来たこともありました。
“東には東の正しさ”があると知った、上京したてのころのわたし。
“世の中はいつも臆病”だから、人生は自分の“手で漕いで”生きていくしかないと悟ったころのわたし。
“どこへ帰るのかも”分からなくなって、“伝えない言葉”を選ぶようになったころのわたし。
この努力が、“いつか誰かを温めうるかもしれない”と願っていたころのわたし。
“ころんだ日のささくれ”に大泣きしていたころのわたし。
いつもいつも、わたしの側にはみゆきさんの歌がありました。
セットリストにある「誕生」という歌は、知らない方も多いかもしれません。たしか、アメリカでの出産時のエピソードを聞いて、作った歌とのことでした。
アメリカでは、生まれた子の身分や肌の色、出身に関わらず、この世にやって来た赤ちゃんにかけられる言葉があるそうです。
それが「welcome」。
だれでも言われたはず
耳をすまして 思い出して
最初に聞いた welcome
周囲の人はもちろん、いま、心からみゆきさんに伝えたい。
“わたし、いつでもあなたに言う。生まれてくれて、welcome”
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