ストップ!!!
そんな風に自分の感情に声をかけられたらいいのに。
なにかイヤなことがあった時や、ムッとすることがあった時、感情的に反応するのではなく、物事と少し距離をとって、自分の反応を選ぶことができます。というか、できるはずなんです。
でも、一度スイッチが入ってしまうと止められない。
言うつもりではなかったことまで、口から飛び出してしまうことだってあります。
仲良しだった友だちとのケンカシーンが印象的な、映画「わたしたち」には、取り返しのつかないひと言を口走ったために、決定的に亀裂が入ってしまう子どもたちが出てきます。
ユン・ガウン監督は、自身の子ども時代をテーマにシナリオを練ったのだそう。
小学生の「スクールカースト」の残酷さ、子どもの心のやわらかさを存分に感じられる映画です。
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映画「わたしたち」
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学校でいつもひとりぼっちだった11歳の小学生の少女ソンは、転校生のジアと親しくなり、友情を築いていくが、新学期になると2人の関係に変化が訪れる。また、共働きの両親を持つソンと、裕福だが問題を抱えるジアの家庭の事情の違いからも、2人は次第に疎遠になってしまう。ソンはジアとの関係を回復しようと努めるが、些細なことからジアの秘密をばらしてしまい……。
“オトナ”になると、なかなか「友だち」といえる関係をつくるのが難しいなと感じます。仲のいい人は、友だちというより「仕事仲間」だったりしませんか?
「友だち」って、どうやってなるんだっけ……。
「優しい嘘」と「わたしたち」を続けて観て、すっかり考え込んでしまいました。
「わたしたち」の方は、はっきりとスクールカーストが描かれています。勉強ができて、かわいくて、ハキハキしていて、家が裕福。そんなカースト上位のグループから嫌われてしまうと、居場所をなくしてしまうんです。
標的は次から次へと変わるし、グループに入れてもらえたら、他の人を排除するために攻撃に加わるしかない。
子どもの社会って、残酷やな……。
(画像は映画.comより)
映画の企画には、名匠イ・チャンドン監督が参加されていて、シナリオへのアドバイスもあったそうです。
出演している少女たちは、すべてオーディションで選ばれた新人たちですが、ママは「パラサイト 半地下の家族」の半地下家族の母ちゃんチャン・ヘジンが演じています。
(画像は映画.comより)
特によかったのは、ラストシーン。
弟との会話によって、「友だち」について考え直したソン。仲違いしたふたりが交わす言葉を、すごく想像させるし、余韻が残りました。
一時期、韓国の芸能界は過去のイジメ暴露が吹き荒れましたが、デマだったり、謝罪したりで、少し落ち着いたようではありますけれど。
イジメの報道を見ると、いつも思います。
いじめる側にこそ、サポートが必要だと。
映画「わたしたち」94分(2016年)
監督:ユン・ガウン
脚本:ユン・ガウン
出演:チェ・スイン、ソン・ヘイン、イ・ソヨン、カン・ミンジュ、チャン・ヘジン
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