「知ることは、感じることの半分も重要ではない」
そう語るのは、『沈黙の春』で知られるレイチェル・カーソンです。遺作となった『センス・オブ・ワンダー』には、彼女の姪の息子である幼いロジャーと過ごした日々が綴られています。
自然の中で、自然を感じること。
五感で刺激を受けて、心が動かされる体験は、「ググる」世界では味わえない豊かさを秘めている。そんな当たり前のことに、あらためて気付かされました。
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『センス・オブ・ワンダー』
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レイチェル・カーソンの代表作である『沈黙の春』は、初めて環境問題を正面から取り上げたレポートとして注目されました。
そのせいか、ちょっとかたいんですよね……。
でも『センス・オブ・ワンダー』は、夏の数か月を過ごしたメーン州が舞台のエッセイ。だから読みやすいですし、美しい自然描写に、地球という存在への愛がひしひしと感じられます。
タイトルに使われている「センス・オブ・ワンダー」とは、「神秘さや不思議さに目を見はる感性」のことで、子どもなら誰でも持っている才能です。
わたしも子どものころ、空に浮かぶ雲を見て、シュークリームを想像したり、林の中に基地を作ってごっこ遊びをしたりしました。子どもって、ホントに「見立て」がうまいですよね。
でも、そんな純な心は、もしかしたらオトナの笑い声によって消されてしまうのかもしれない。
「センス・オブ・ワンダー」を守り、育てるために必要なことは、子どもと一緒にさまざまな発見をし、感動を分かち合うこと。少なくともそんな大人がひとり、そばにいれば、子どもの心は守られる。
地球の営みに驚くこと、神秘に感激すること。
ググって得た知識とは別次元の「感じること」を、最近やってないような気がしてきました。
この週末は、森を歩きたいな。
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