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『むかしむかし あるところにウェルビーイングがありました 日本文化から読み解く幸せのカタチ』#975


「ウェルビーイング」って、最近よく耳にするようになりましたが、こういう横文字はふんわりしていて意味がとらえづらい。

「ウェル」が入ってるってことは、「いい感じ」に生きようってことかな?

なんて、思っておりました。

予防医学研究者の石川善樹さんによると、「ウェルビーイング」は「日本の昔話」に学ぶのがよいらしい。実際、石川さんは夜な夜な「にっぽん昔ばなし」をご覧になっているそうです。

研究者ってすごいですね……。

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『むかしむかし あるところにウェルビーイングがありました 日本文化から読み解く幸せのカタチ』

(画像リンクです)

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1948年にWHOが憲章前文に「ウェルビーイング」という言葉を使っています。

健康とは、単に疾病がない状態ではなく、肉体的・精神的・社会的に完全にウェルビーイングな状態である

ここから70年経って、現在はこういう形で理解されているそう。

ウェルビーイングとは、人生全体に対する主観的な評価である「満足」と、日々の体験に基づく「幸福」の2項目によって測定できる

「満足」と「幸福」は、とても主観的な価値なので、人によって違いが大きい。そのため、定義もふわっとしてみえるし、「何をどうやってこうすればウェルビーイングが上がるよ」と言い切れないものなのですね。

わたし自身、生きるにあたって「満足」でありたいし、「幸福」でありたい。

でも、「満足」がたくさんあっても飽きるかも……という気がします。

ここが日本文化の特徴なのだそう!

日本の昔話は、名もないおじいさんやおばあさんが主人公の話が多いですよね。そして、ハッピーエンドになることもなく、フッと話が終わってしまう。

これが西洋の物語だと、主人公は子どもで、冒険して宝物を見つけたり、結婚してハッピーになったりして「めでたし、めでたし」と終わります。

日本の文化は、こうした「ゼロに戻る」ことが特徴なので、そのメンタリティを受け継いでいる現代人も、西洋式の「上昇志向」よりも、日本式の「奥という感覚」を意識するほうが、心の平安を探れるのではないか、とのこと。

石川さんは「○○のためには何をしたらいいですか?」という質問をよく受けるのだそうです。こうした、「○○をする=doing」によって、「○○になる=becoming」な発想は、「因果の宗教」にハマっている状態だと指摘されています。

自分の内なる声を大切にするには、「因果」よりも「因縁」に目を向けること。

人との関わりの中で、ご縁をみつめることの意義を教えてもらった気がします。

特に、石川さんのお父様・雄一さんと、ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記さんとの鼎談が感動的でした。

病を診るのではなく、人を診ることによって、患者さんの快復も変わるのだそうです。

病は気からってことでしょうか。コーチ的関わり方の真髄を感じました。

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