「カラダは嘘をつかないけど、脳は嘘をつくんです!」
これはかつて師事していたアメリカ人映画監督の口癖で、彼女はいつも「カラダの声を聞け」と言っていました。
人間は感情の生き物といわれていますが、「こんな感情を持ってしまう自分はよくないかも……」と思ったとき、その感情に理性でフタをしようとしてしまいます。
そこで、ニコニコした表情を作っても、カラダは引いている……ということが起こる。
こんなことを繰り返していると、いつか自分の感情に鈍感になってしまうよ、という話だったと思います。そもそも感情に、善し悪しのラベルを貼ってしまうこと自体、意味のないことですし。
でも。
何かあるとすぐに不安になって、そのことが頭から離れなくなるのです。
下手をすると、一日グルグルしていたり、思い出し怒りをしていたり。ああ、こんなにも持て余してしまう自分の「感情」。上手な切り替え方法はないものでしょうか。
そんなときに読んだのが、佐渡島庸平さん、石川善樹さん、羽賀翔一さんが「感情」について語り合った『感情は、すぐに脳をジャックする』。
タイトルが、そのものズバリのドンピシャ。自分の中に湧き上がる「感情」を、ジッとみつめながら読みました。
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『感情は、すぐに脳をジャックする』
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第1章から第3章までは佐渡島さんによる、「感情」の考察論と、石川さんのコラム。第4章と第5章は、各「感情」を掘り下げて考察する鼎談です。
本の中で佐渡島さんが紹介されている、プルチック博士が考案した「感情の輪」を使ったキャラクターやストーリー作りの話がとても興味深かったです。
Wikipediaへのリンク↓
8つの基本感情と相関する「感情」を描いてから、本当に描きたかった「感情」を描けば、振り幅が大きくなって、より伝わるのではないか、という仮説です。また、少年マンガと青年マンガで描かれる「感情」の違いについての考察もありました。
人間は毎日、毎時間、毎秒、さまざまな刺激を受けて、たくさんの「感情」を抱いているはずなのですが、それはほとんど無意識のうちに流れてしまう。
特に強い「感情」だけが、一日の最後に残っているように思います。
悔しかったり、恥ずかしかったり、悲しかったり、うれしかったり。
こうした「感情」の、なにが、どこが、どうして、自分に当たったのかを振り返ることは、自分自身を知ることにつながるんですよね。
自分が大切にしている価値観を否定されたとき、たぶんわたしは「怒る」を選ぶ。
一方で、予期していない出来事があると、「怖れ」を選んでいるかも。
長い付き合いの「自分」でも、まだまだ知らないことがたくさんある。もしかしてわたしって伸びしろしかないんじゃないかとか、知らないことを知ることが、とても楽しく感じられるような鼎談でした。
石川さんは「自分にとって満足のいく1日とは何か?」を考えるため、「To-Feelリスト」で自分の感情の振り返りをおすすめされています。
やってみると、わたしって、怒っていることが多いな、とかが見えてきておもしろいですよ。
「感情」を把握することは、自分のご機嫌を上手にとることにもつながりそうです。
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