「世界は誰かの仕事でできている。」
この缶コーヒーのコピーを見たとき、ジ~ンとしたんですよね。大きい金額が動く仕事、実現が難しい仕事、身体を酷使する仕事、ひとりではできない仕事……。
世の中にはいろんな仕事があって、内容は本当にさまざまで、そのどれかひとつが欠けたら世界は今の形になっていないかもしれない。
こういうモノの見方をしたいなーと感じたのです。
このコピーを書いたのは、梅田悟司さん。ご自身にお子さんが生まれたことで4か月の育児休暇を取得。その際に「名もなき家事多すぎ」というツイートをされていました。
育休を4ヶ月取得して感じたこと
— 梅田悟司/『名もなき家事に名前をつけた』9/17発売! (@3104_umeda) April 11, 2019
・授乳以外は男性もできる
・子ども慣れしてないは甘え
・子育ては2人でやってちょうどいい
・名もなき家事多すぎ
・育児での凡ミスは死に直結
・24時間、緊張状態が続く
・会話できる大人は命綱
・職場の方が落ち着く
・仕事の方が楽
・仕事の方が楽
・仕事の方が楽
そんな限りなく多い「名もなき家事」に梅田さんが命名され、一冊の本にまとめられたのが、『やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。』です。長い。笑
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『やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。』
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あ、それも家事なんだというささいな用事に、「タッパー神経衰弱」とか、「突然の濡れ場」など、思わずニヤリとしてしまうコピーが付いています。
「ティッシュ格差」や「鍵レーダー」には、(わたしだけじゃなかった!!)という安心感をもらいました。実は、これでいつもダンナに怒られているんです。
ほとんどのものは、3~5分で終わるような、小さな家事。でも、「あぁ、これが面倒だったんです!」という気持ちをすくい上げてもらうだけで、こんなに気持ちが晴れるなんて。ありがとうございます……という気持ちです。
ちなみに、各家事へのワンポイントアドバイスもあります。これがかなりお役立ちですよ。
この本は「家の中のこと」を扱っていますが、たとえば会社の中にもいっぱい「名もなきタスク」はありそうです。コピー用紙を補充したら、包み紙を捨てるとか、ね。
新たな「名もなき家事」も募集されているそうなので、発見したら「#名もなき家事に名前をつけた」のハッシュタグを付けてSNSでつぶやいてくださいとのこと。
うちの場合は、これかな。
→組み合わせが面倒なので、ダンナの靴下は全部クロにしているのですが、買った時期によってビミョーに色あせや縮み方が違うんです。けっきょく、よけい高度な神経衰弱をするハメに。
→玄関や廊下の電気を寝る前に消しに行くのはどっちか。さりげなく気配をよみつつ、美しい譲り合いが毎晩発生しています。
読む前は、「読んだらイライラしそう」と思っていましたが、本当にイライラしつつ(ダンナに対してです!)、ニヤニヤしながら読みました。
家事は女性がやるものと考えている方はもちろん、家事が苦手という方も、ぜひ、読んでみてください。
日常を見つめる解像度が高いのに、ユーモアたっぷり。こうなりたい。
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