スキップしてメイン コンテンツに移動

ゾンビがかわいそう!? 映画「新 感染 ファイナル・エクスプレス」 #161


2002年に映画のオーディションを受け、デビューした“マブリー”こと、マ・ドンソク。ちょい役、わりと早い段階で殺されちゃう役、主要メンバーの外側にいる役、まぁまぁわき役などでキャリアを積んできました。

三白眼・コワモテ・マッチョという、恐怖の三拍子がそろった外見を活かして大ブレイクした映画が「新 感染 ファイナル・エクスプレス」です。

☆☆☆☆☆

映画「新 感染 ファイナル・エクスプレス」
https://amzn.to/36ki6oR

☆☆☆☆☆

<あらすじ>
ソウルでファンドマネージャーとして働くソグは、プサンにいる母に会いたいという娘の願いを叶えるため、ソウル駅からプサン駅に向かう高速鉄道KTXに乗り込みます。発車直前、駅周辺では謎のウィルスによる騒ぎが発生。2人の乗った電車にも、ウィルスに感染したひとりの女が。ソグ親子、妊婦と夫、野球部の高校生、年老いた姉妹らが生き残りをかけて決死の戦いに挑む!


韓国映画初の大型ゾンビ映画となった「新 感染」は、カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門でも上映され、世界中で話題となりました。

多くのゾンビ映画は、

ゾンビから逃げる

ゾンビをどこかに閉じ込める or 自分が安全圏に脱出

というラストを迎えます。が、「新 感染」の場合は、始めから“移動状態”なんです。特急列車の中で逃げる→閉じこめるが繰り返されるという、密室ホラーな設定に、かなり緊迫感がありました。

映画を監督したヨン・サンホは、もともと社会批判的なアニメーション映画を作っていました。「新 感染」の前日譚ともいえる映画が「ソウル・ステーション パンデミック」です。こちらは父と娘の物語。主人公の声を演じているのは、今年日本映画デビューを果たしたシム・ウンギョンです。


☆☆☆☆☆

映画「ソウル・ステーション パンデミック」
https://www.netflix.com/title/80133764

☆☆☆☆☆

監督のインタビューによると、もともと「ソウル・ステーション」を実写映画化しようという提案があったそう。でもすでにアニメの制作に入ってた……。そんなわけで、続編にあたる「新 感染」は実写で撮ることになったと語っています。

制作に入ったのが2014年9月。この年の4月には、韓国社会を揺るがす事故が起きています。

セウォル号沈没事件です。

あまりにも無責任な「大人」のあり方は、映画にも影響を与えたと考えられます。たとえばニュースのシーンには「希望の新しい時代」と書かれた看板が映っています。これは、パク・クネ政権の標語なんですよね。映画には行政の話がほぼ出てきませんが、無策無能ぶりがちゃんと暗示されているんです。

政府も、警察も、軍隊も、あてにならない。目の前のゾンビから家族を守るために力を尽くすのが、主演のコン・ユとマ・ドンソクです。特に“マブリー”はこの外見で、馬鹿力があるもんだから……ゾンビがかわいそう!という感想もあったそうです。笑

(画像はKMDbより)


ゾンビとか、ホラーとか、怖い・痛い映画は苦手だったんですが、韓国でめっちゃ話題と聞いて観に行きました。で、「観ておいてよかったー!」と思ったんですよね。韓国映画のエンタメ性やCGのうまさ、質の高さを感じることができたから。

頼れるマッチョ・“マブリー”にも会えたし。実は「新 感染」を経験した後で観た映画の中に、「あぁ、マブリーが! 一撃で倒される役を!!」と思った映画がありました。

驚異のキムチ・ウェスタン「グッド・バッド・ウィアード」です。満州を舞台にコソ泥とギャングの宝探しなんですが、ギャングの下っ端だったマブリーは、ソン・ガンホに一撃で倒されています。もったいねー!!


ゾンビ映画なら、2019年に公開された「感染家族」もおすすめ。こちらのゾンビはイケメンでかわいい! 新しいタイプのゾンビ映画です。

☆☆☆☆☆

映画「感染家族」
https://amzn.to/3yku7Xu

☆☆☆☆☆

映画情報「新 感染 ファイナル・エクスプレス」118分(2016年)
監督:ヨン・サンホ
脚本:パク・ジュソク
出演:コン・ユ、キム・スアン、チョン・ユミ、マ・ドンソク、チェ・ウシク

コメント

このブログの人気の投稿

人生をやり直したい男の誤算が招くコメディ 映画「LUCK-KEY」 #298

名バイプレーヤーとして知られる俳優が、主演を務めるとき。その心中はドッキドキでしょうね……。 映画「ベテラン」や「タクシー運転手 約束は海を越えて」で味のある演技を披露していたユ・ヘジンにとって、初めての単独主演映画が「LUCK-KEY ラッキー」でした。 ☆☆☆☆☆ 映画「LUCK-KEY」 https://amzn.to/3watGNT ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 売れない貧乏役者のジェソンは、将来に絶望して自殺を試みます。が、大家の侵入によって失敗。せめて身ぎれいになってからにしようと銭湯に行くことに。石けんを踏んで転倒した男の鍵をすり替え、男のフリをして暮らそうとしますが……。 原作は内田けんじ監督のコメディ「鍵泥棒のメソッド」。リメイク版の試写会で、観客が提案したタイトルが「LUCK-KEY」で、それがそのまま使われることに決まったのだそう。 ☆☆☆☆☆ 映画「鍵泥棒のメソッド」 https://amzn.to/3jEEotv ☆☆☆☆☆ ユ・ヘジンが演じるのは記憶喪失になった男「ヒョヌク」なのですが、ロッカーの鍵をすり替えられてしまったため、周囲には貧乏役者だと思われています。助けてくれた救急隊員の実家である食堂で働くことになりますが、刀さばきはすごいし、客さばきもうまい。だけど彼自身は俳優として成功し、親孝行しなければとマジメに努力します。 (画像はKMDbより) 一方、鍵をすり替えて逃げ出したジェソンの方は、豪勢な「ヒョヌク」の家にビックリ。贅沢三昧に自堕落に暮らし始めますが、隠し部屋で多くの銃を発見してしまいます。 実は「ヒョヌク」は、100%の成功率を誇る伝説の殺し屋だったのです!!! というお話。とにかくおかしな方へ、おかしな方へと話が転がっていく、コメディです。 (画像はKMDbより) 驚くのはユ・ヘジンの身体能力の高さ。趣味は登山と日曜大工だそうですが、いや、すごすぎやろというくらい、見事なアクションをみせています。 映画では、どう見てもおっちゃんなのに身分証は20代だったり、大部屋俳優から出世しちゃったり。 記憶は失っても、努力の仕方は覚えてるんですよね。 逆に、鍵をすり替えたジェソンは、夢はでっかく、だけど行動力はゼロという青年です。ふたりの対照的な生き方は、入れ替わっても続いてしまう。「幸運の鍵」をつかむには、という部分で、ちょっと身に...

『コロナ時代の選挙漫遊記』#839

学生時代、選挙カーに乗っていました。 もちろん、なにかの「候補者」として立候補したわけではありません。「ウグイス嬢」のアルバイトをしていたんです。候補者による街頭演説は、午前8時から午後8時までと決まっているため、選挙事務所から離れた地域で演説をスタートする日は、朝の6時くらいに出発することもあり、なかなかのハードワークでした。 選挙の現場なんて、見るのも初めて。派遣される党によって、お弁当の“豪華さ”が違うんだなーとか、候補者の年齢によって休憩時間が違うんだなーとか、分かりやすい部分で差を感じていました。 それでも、情勢のニュースが出た翌日なんかは事務所の中がピリピリしていることもあり、真剣勝負の怖さを感じたものでした。 「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちれば“ただの人”だ」とは、大野伴睦の言葉だそうですが、誰だって“ただの人”にはなりたくないですもんね……。 そんな代議士を選ぶ第49回衆議院議員総選挙の投票日が、今週末10月31日に迫っています。   与党で過半数を獲得できるのかが注目されていますが、わたしが毎回気になっているのは投票率です。今回は、どれくらい“上がる”のかを、いつも期待して見ているのですが、なかなか爆上がりはしませんね……。 ちなみに、2017年10月に行われた第48回衆議院議員総選挙の投票率は、53.68%でした。 『コロナ時代の選挙漫遊記』の著者であり、フリーライターの畠山理仁さんは、選挙に行かないことに対して、こう語っています。 “選挙に行かないことは、決して格好いいことではない。” 全国15の選挙を取材したルポルタージュ『コロナ時代の選挙漫遊記』を読むと、なるほど、こんなエキサイティングな「大会」に積極的に参加しないのはもったいないことがよく分かります。 ☆☆☆☆☆ 『コロナ時代の選挙漫遊記』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ 昨年行われた東京都知事選で、「スーパークレイジー君」という党があったのをご存じでしょうか? またオモシロ系が出てきたのかしら……と、スルーしてしまったのですけれど、本を読んで、とても真剣に勝負していたことを知りました。300万円もの供託金を払ってまで挑戦するんですもん。そりゃそうですよね。 この方の演説を、生で見てみたかった。もったいないことをしてしまった。 こんな風に後悔しないで済むように、畠...

まったく新しい映画体験に思うこと 4D映画「ハリー・ポッターと賢者の石」 #484

映画の公開20周年を記念して、「ハリー・ポッターと賢者の石」が初の3D化されました。体感型の4DXやMX4Dで上映されています。 映画を「配信」するサービスが増え、パソコンやスマホでも映画が観られるようになったいま、「劇場で観る楽しみ」を、最大限与えてくれる上映方法だと思います。 でも、なぜか、4D映画ってモヤッとしてしまう……。 クィディッチゲームの疾走感や、チェスの駒が破壊されるシーンの緊迫感は倍増されていたので、こうした場面の再現率、体感度は以前に比べてかなり上がってきたように感じます。 (画像はIMDbより) それでも、稲光、爆風や水滴など、ストーリーとのズレを感じてしまう。 むかし観た4D映画では主人公が「GO! GO!」と走り出すシーンで、スポットライトがピカピカと点滅していたんですよね。わたしの頭の中で、「パラリラ パラリラ~」という暴走族のバイクの音が再生されてしまいました。 そうしたストーリーとは関係のない効果は減り、洗練されてきた感じはするものの、やっぱりスッキリしないものは残るのです。 4D映画はなぜモヤるのだろうと考えていて、「誰の目線で映画を観ればいいのか混乱する」からかもしれないと気がつきました。 ここで、あらためて4D映画について説明しておきます。 4D映画とは、映画に合わせて光や風などの演出が施された、アトラクション型の「映画鑑賞設備」のことです。 2D映画でも、4D映画の設備で上映されなら、4D映画になります。今回わたしが観た「ハリー・ポッターと賢者の石」は、3D映画の4D上映でした。 日本で導入されている4Dシアターは2種類。韓国のCJ 4DPLEX社が開発した4DXと、アメリカのMediaMation社が開発したMX4Dです。わたしは今回、TOHOシネマズで観たのですが、導入しているのはMX4Dのほうでした。サイトによると、体感できる環境効果はこちら。 特殊効果 ・シートが上下前後左右に動く ・首元、背後、足元への感触 ・香り ・風 ・水しぶき ・地響き ・霧 ・閃光 なるほど、のっけからシートがジェットコースターのように揺れ、風が吹きつけ、地響きも、ふくらはぎに礫が当たるような感触も体験できました。 人間社会で虐待されながら育ったハリー・ポッターは、ハグリットと出会うことで初めて魔法の世界に触れることになります。 ホグワーツ魔...