長期休暇明けの一番つらい一週間を終えた方、お疲れさまでした! とにかく朝起きただけで「エライじゃん、わたし!」と、とにかく自分を褒めましょう。
これから一年、また忙しい日々が始まりますよね。本を読む時間も、映画を観る時間も、ジムに行く時間もない! それくらい忙しく仕事に打ち込んでいるのに実績は……と考えると、思わず落ち込んでしまいます。
そんな時は、ぜひコメディを!!!
韓国で2019年の観客動員数1位、歴代観客動員数2位、歴代興行収入1位という大記録を達成した映画「エクストリーム・ジョブ」 には、何もかも忘れさせてくれる特大の笑いがあります!
なにより必死に仕事してるのに、結果が裏目裏目に出る様子が、自分を見ているようでした。
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映画「エクストリーム・ジョブ」
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一所懸命がんばっているのに結果が出ず、解散の危機にあるダメダメ麻薬捜査班。大型シンジケートの張り込みのために、フライドチキン店を買収したところ、その店が大人気に! 犯人を挙げるのか、チキンを揚げるのか。お店の仕事で疲れ切った捜査班の前に、ついに麻薬取引の動きが見えて……。
2019年の大ヒット映画「翔んで埼玉」はバカっぽさが最高に笑えましたが、それを超えるおもしろさだな、と思いました。ハリウッドでのリメイクも決定したそうです。
とはいえ、脚本を担当したムン・チュンイルは、ウディ・アレン監督「おいしい生活」にインスピレーションを得たそうなので逆輸入ということになりますね。
「エクストリーム・ジョブ」は、<3人の男たちの青春を描いた映画「二十歳」で注目された“イ・ビョンホン”が監督>と聞いて、
「“イ・ビョンホン”って、あの“イ・ビョンホン”!? 映画監督もしてたの!?」
と驚きました。だって「韓流四天王」と呼ばれたイケメン実力派俳優ですよ。
「グッド・バッド・ウィアード」では陰のある(でもマヌケな)殺し屋役を。
(画像はKMDbより)
「マグニフィセント・セブン」などでハリウッドにも進出しています。
(画像はKMDbより)
そんな彼が映画も撮っていたなんて!!! チェック不足でした!!!と思ったら、同姓同名の別人でした……。
本物の監督“イ・ビョンホン”は、こちらの方。たぶん、日本でインタビューなんて受けたら言われ続けるでしょうね……。
映画の話に戻りますと、「エクストリーム・ジョブ」は、コメディ路線を歩んできたイ・ビョンホン監督の頂点とも言われています。まだ長編3作目の若手監督。ここからがさらに楽しみ!
映画には、実際に監督自身が経験したことも盛り込まれているそうです。うどん屋をオープンさせたものの、儲からずに廃業した時のことを、「チキン店」に重ねたとのこと。
監督のように、独立してお店を始めようという人は多いようで、2017年に発表されたOECDの統計によると、韓国の勤労者全体のうち自営業者が占める割合は25.4%だそうです。(出典:現代ビジネス)
植民地時代や軍事政権が続いた韓国には、政府に頼るよりも自分の力を信じよ、鶏口となるも牛後となるなかれ、小さくとも一国一城の主として生きるがよろし、という考え方があります。“長”の付く肩書きが好き、といえるかも。
そして。
麻薬捜査班が張り込み基地として使っていた「チキン店」も廃業することになり、ピンチ!
仕方なく店を買い取ったら、お客さんが入って来ちゃってピンチ!
盗聴で忙しいのに料理せざるを得なくなってピンチ!
と、話は、雪だるま式なコミカルに展開。ちなみに、撮影に使われた鶏は463羽。油の匂いも相当だったでしょうね。
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ただし「チキン」出店者より廃業者の方が多い
笑いの中には、そんな皮肉も込められているんです。失敗ばかりのチームを率いるコ班長は、名前こそ“班長”ですが、そこにも明暗が。
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ただし社会での「班長」は中間管理職
ブラックすぎる。
さらに皮肉だな、と感じるのが、捜査班が「お金を稼ぐ」という感覚に目覚めるところです。警察官は公務員なので、それほど大金を手にする機会はないですよね。でも、「チキン店」が大人気になったことで、目の前に札束がたまっていくのです!
大金を稼ぐことに興奮し、当初の目標を見失ってしまうメンバーたち。
最後まで気の抜けない笑いの連鎖。おまけに、前半で広げた風呂敷を、後半でちゃんと回収していく構成が秀逸だと思います。
最近の韓国映画は歴史もの、アクションものなど、重厚で壮大で真剣で悲壮、というものが多かったんですよね。ですが、「エクストリーム・ジョブ」は国の違いや年齢性別問わず笑える映画です。
先に映画館近くで「チキン店」を探しておくことをおすすめします。映画を観た後は、絶対食べたくなっちゃう!
( ↓ 山盛りのヤンニョムチキンを食べてしまったの図)
映画情報「エクストリーム・ジョブ」111分(2019年)
演出:イ・ビョンホン
脚本:ムン・チュンイル
出演:リュ・スンリョン、イ・ハニ、チン・ソンギュ、イ・ドンフィ、コンミョン、シン・ハギュン
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