「あ、わたしが欲しいのはそれだ!」
気づいていなかったけれど、言われて初めて「それだ」と気づくもの。それは「インサイト」と呼ばれます。
ラブコメの帝王パク・ソジュンと、パク・ミニョンのゴールデンなコンビのドラマ「キム秘書はいったい、なぜ?」は、まさに「インサイト」を巡る物語だったなと思います。
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ドラマ「キム秘書はいったい、なぜ?」
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大企業の副会長イ・ヨンジュンは、容姿、頭脳ともに完璧だが自分大好きな超ナルシスト。そんな彼を9年間支えてきた秘書のキム・ミソは、ある日、辞職を伝える。ショックを受けたヨンジュンは、あの手この手で引き止め、渾身のプロポーズをするが、あっさりと断られてしまう。退職前の一大プロジェクトが進む中、ヨンジュンの兄ソンヨンがアメリカから帰国。ふたりの間にある確執は、ミソにも関係しているようで……。
「梨泰院クラス」ですっかり日本でも有名になったパク・ソジュン。彼は役ごとに仕草や話し方を研究するのだそうです。財閥の御曹司で「できる男」の代名詞的キャラクターであるヨンジュンもやはり、得意のポーズを持っています。かなりコミカル。
兄弟をめぐる確執はミステリー仕立てになってはいるのですが、サイドストーリーとしてはちょっと弱いかなとも感じました。
それよりも、三姉妹の三女であるミソが、姉たちの学費と父の借金返済のために高校を卒業してからずっと働きづめだった、という設定の方が気になりました。
映画「82年生まれ、キム・ジヨン」にも、兄たちの学業のため、自分の勉強をあきらめて働き続けたというシーンが出てきます。日本でいったら「昭和」のような設定が、まだ生きているんだなー。
ドラマはキム秘書が辞めたいという理由について、思いをはせることができないヨンジュンの壊れっぷりが一番のみどころです。
なぜ、彼は一番身近なところで9年もの間、一緒に仕事をしてきたキム秘書の望みをつかむことができないのか。結局、「傾聴」ができないんです。「傾聴」は、コーチングで一番大切とされているもの。
ヨンジュンにとってなにより大好きなのは「自分」です。だから、他人のハートについて想像することができないし、声に耳を傾けることもできない。
「インサイト」を探るには、消費者の声を聞くことと言われますが、「傾聴」できないと、ひとりよがりなアイデアになってしまう。それがハッキリ出ていて、とても楽しめました。
最高級に胸キュンのドラマ。ヨンジュンの弱みと成長に注目しながら観るのがおすすめです!
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Netflixはこっち。
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ドラマ情報「キム秘書はいったい、なぜ?」全16話(2018年)
演出:パク・ジュンファ
脚本:ペク・ソンウ
原作:チョン・ギョンウン(ウェブトゥーン)
出演:パク・ソジュン、パク・ミニョン、イ・テファン
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