かつては韓国ドラマの定番だった「タイムスリップ」ですが、最近はシリアスなドラマの素材にもなってきました。
2月17日から放送を開始したJTBC水木ドラマ「シーシュポス:The Myth」もそのひとつ。
“密入国者”と呼ばれる謎の存在がいることを知った天才エンジニア・テスルと、彼を救うために未来からやって来たソヘの闘いを描いた物語です。
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「シーシュポス: The Myth」Netflixで配信中
https://www.netflix.com/title/81397558
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未来からやって来た女性にいきなり「伏せろ!!」と命令され、銃撃され、引きずり回されるテスル。訳が分からないまま逃げ回るうちに、亡くなった兄の秘密も知ることになります。
テスルと、テスルの右腕であるエディ・キムの関係は、電流戦争のテスラとエジソンになぞらえてあり、ちょうど日本でも公開された映画「テスラ エジソンが恐れた天才」も観たくなってしまいました。
テスル役のチョ・スンウは演技派として知られる俳優で、彼の主演というだけで「間違いなしやん!」と見始めて、そして、どんどんハマることに。2021年春期のドラマの中では飛び抜けておもしろかった作品です。
ソヘを演じるのはパク・シネ。映画「ザ・コール」や「#生きている」で見せた図太さにプラスして、このドラマではアクションにも挑戦しています。
タイトルの「シーシュポス」とは、ギリシア神話の登場人物のことで、神々を欺いた罰として巨大な岩を山頂まで上げる苦行をさせられました。もうちょっとで山頂……というところで、岩は転がり落ちる。これを永遠に繰り返すことから、「徒労」を意味するのだそうです。
生きること自体が「徒労」なのではと思ってしまうけれど、いまの時代に生まれ落ちた以上はなんらかの意味があるはず、と思いたい。未来を知ってしまったテスルにも、過去を体験したソヘにも、きっと。
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