事業部のクリエイティブ部門から、HRへ異動して4年目になります。これまでは研修“だけ”に力を入れていましたが(というか、それ以上のことをやる余裕はなかった)、今年の初めごろに「はて、人事ってどういう役割なんだっけ?」と、あらためて考える機会がありました。
いろいろと読んだ本の中の一冊が『クリエイティブ人事 個人を伸ばす、チームを活かす』。株式会社サイバーエージェントの人事本部長である曽山哲人さんと、神戸大学大学院の金井壽宏教授の共著です。
企業の中で「人事」はどうあるべきか。その存在価値について考えさせられる本でした。
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『クリエイティブ人事 個人を伸ばす、チームを活かす』
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「人事部」とは、なかなかにせつない部署だと思います。制度や異動への不満が集まる部署でもありますし、経営陣と現場をつなぐ橋渡しの役目も負っています。時には矛盾と軋轢のクッション材になることも。
こうしたことから、わたしはずっと「心臓」のイメージを持っていました。身体中に新鮮な血液を巡らせるポンプの役割ですね。
サイバーの人事本部におけるミッションは「コミュニケーション・エンジン」だそう。ひらたくいうと、「経営陣と現場の通訳係」と表現されています。
元はモーレツ社員で、広告営業のトップを務めていた曽山さん。人事へと異動してからも、パワフルな体育会系体質が抜けずにいたのだそうです。コーチング研修を受けることで、「人を恐れていた」ことに気付き、変われたとのこと。
曽山さんの率直な告白は、新人マネジャーにとって励ましになるかもしれません。「わたしだけが苦しいんじゃないんだ」と思えるから。
最近では、YouTuberとしても活躍されています。毎回更新を楽しみにしているコンテンツのひとつです。
ソヤマン - 人と組織のお悩み解決!!
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評価制度には「納得感のある対話」が必要という話は、北野唯我さんの著書『OPENNESS(オープネス) 職場の「空気」が結果を決める』にもデータとして示されていました。
「人事部」は硬直化しやすく、官僚的になりやすい部署ではありますが、“こなす”だけでは味わえない仕事でもあるのだと、本を読んで感じました。そこはやっぱり「クリエイティブ」に視点を広げるのが一番なのかもしれません。
でも、「変化することだけがいいとも限らない」と、金山先生は指摘されています。
自分の仕事が、他のメンバーたちにどんな価値を届けているのか。人事に携わる人はもちろん、マネジャーにもおすすめの一冊です。
スタートアップ企業で組織を整備したいという方は、サイバー“最強のNO.2”日高裕介さんの『組織の毒薬 サイバーエージェント副社長の社員にあてたコラム』もぜひ。
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