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『クリエイティブ人事 個人を伸ばす、チームを活かす』#683


事業部のクリエイティブ部門から、HRへ異動して4年目になります。これまでは研修“だけ”に力を入れていましたが(というか、それ以上のことをやる余裕はなかった)、今年の初めごろに「はて、人事ってどういう役割なんだっけ?」と、あらためて考える機会がありました。

いろいろと読んだ本の中の一冊が『クリエイティブ人事 個人を伸ばす、チームを活かす』。株式会社サイバーエージェントの人事本部長である曽山哲人さんと、神戸大学大学院の金井壽宏教授の共著です。

企業の中で「人事」はどうあるべきか。その存在価値について考えさせられる本でした。

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『クリエイティブ人事 個人を伸ばす、チームを活かす』
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「人事部」とは、なかなかにせつない部署だと思います。制度や異動への不満が集まる部署でもありますし、経営陣と現場をつなぐ橋渡しの役目も負っています。時には矛盾と軋轢のクッション材になることも。

こうしたことから、わたしはずっと「心臓」のイメージを持っていました。身体中に新鮮な血液を巡らせるポンプの役割ですね。

サイバーの人事本部におけるミッションは「コミュニケーション・エンジン」だそう。ひらたくいうと、「経営陣と現場の通訳係」と表現されています。

元はモーレツ社員で、広告営業のトップを務めていた曽山さん。人事へと異動してからも、パワフルな体育会系体質が抜けずにいたのだそうです。コーチング研修を受けることで、「人を恐れていた」ことに気付き、変われたとのこと。

曽山さんの率直な告白は、新人マネジャーにとって励ましになるかもしれません。「わたしだけが苦しいんじゃないんだ」と思えるから。

最近では、YouTuberとしても活躍されています。毎回更新を楽しみにしているコンテンツのひとつです。

ソヤマン - 人と組織のお悩み解決!!
https://www.youtube.com/channel/UCXNdhMaVY8wp06UaMCYiv_g


評価制度には「納得感のある対話」が必要という話は、北野唯我さんの著書『OPENNESS(オープネス) 職場の「空気」が結果を決める』にもデータとして示されていました。

「人事部」は硬直化しやすく、官僚的になりやすい部署ではありますが、“こなす”だけでは味わえない仕事でもあるのだと、本を読んで感じました。そこはやっぱり「クリエイティブ」に視点を広げるのが一番なのかもしれません。

でも、「変化することだけがいいとも限らない」と、金山先生は指摘されています。

“変化する企業には不変の芯がなくてはならないし、芯が不変だからこそ大胆に変われるとも言えるのではないかと思います。”

自分の仕事が、他のメンバーたちにどんな価値を届けているのか。人事に携わる人はもちろん、マネジャーにもおすすめの一冊です。

スタートアップ企業で組織を整備したいという方は、サイバー“最強のNO.2”日高裕介さんの『組織の毒薬 サイバーエージェント副社長の社員にあてたコラム』もぜひ。

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