「だれも知らない小さな国」は、300万人もの人が知る国となっていた!
子どものころに読んだ本は、いまでも覚えているものがたくさんあります。
野原で遊んでいるか、図書館で遊んでいるかだったわたしは、何度も何度も同じ本を借りることがありました。民話やおとぎ話が好きだったのですけど、佐藤さとるさんの『だれも知らない小さな国―コロボックル物語』も、よく借りてたなー。
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『だれも知らない小さな国―コロボックル物語』
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現在は「だれもが知ってる」小さな国として、小説家の有川浩さんが世界を引き継いでおられます。
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『だれもが知ってる小さな国』
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美しい自然の山の麓で育った「ぼく」は、「小法師さま」の伝説について聞かされます。ある日、自分に向かって手を振っている小さな人がいることに気付いた「ぼく」は、この小さな人たちを守ろうと決意する、というのが、佐藤さとるさんが描いた「コロボックル物語」でした。
有川浩版はというと、主人公が「はち屋」の男の子ヒコ。両親とみつばちと一緒に全国をまわる小学生です。お父さんの手伝いで蜜をとる仕事をしていたヒコは、不思議な、小さな人と出会い……というお話。
小さな人=コロボックルの存在について、誰にも言わない、絶対に秘密にすることを約束。そのためにヒコは、ワクワク・ドキドキのひと夏を過ごすことになります。
とにかくお話がかわいい!
挿絵は、佐藤さとる版を担当された村上勉さんが継続して描いておられます。
佐藤さんが「コロボックル物語」を出版されたころは、日本ではじめてのファンタジーとして注目をされていたのだそう。それがいまは有川さんというストーリーテラーと出会ったわけですから、おもしろくないわけがないんです。
講談社のサイトには、特設ページも開設されています。
わたしの住んでいたところもコロボックルがいそうな田舎町だったので、どうやったら会えるんだろうと、あぜ道を何度も歩いたものでした。
コロボックルは伝統的な生活を守って暮らしていますが、性格は好奇心旺盛でとてもアクティブです。いろいろな変化を臨機応変に受け止める柔軟性もある。
たぶん、心がやわらかいんですね。
ユング心理学者の河合隼雄さんは、著者『昔話の深層』の中で、昔話は人間の内的な成熟に関わっていると述べておられます。
内的に成熟したかどうかは分からないけど、ファンタジーや民話が、わたしを空想世界に導いてくれたことはたしか。かわいいも、残酷さも、喜びも、痛みも、涙も、物語で堪能してきました。
って、昨年の今日も同じことを書いていた。
ドタバタと、どこに流れていくのか、先が見えない日々を送りつつ、大病もせずに一年を過ごせたことは、本当にありがたいことでした。
今日、またひとつ、年をとりました。でも、空想世界で遊んでいたときのドキドキと冒険力は忘れたくない。
心をやわらかく保つこと。
これが、今年の目標です。
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