失敗したくない。
できれば最高得点をとって「さすがだね!」って言われたい。
仕事とは、成果を積み上げていくものだから、どうしても失敗を避ける思考に陥りがちです。
でも、世の中には全力で勝負して、大金をかけ、壮大に失敗した事例だってたくさんあります。
『世界「失敗」製品図鑑』は、そんな世界のトップ企業に集う、最高頭脳による「全力の失敗」をケーススタディとして集めた本です。
こんなトップレベルでも、笑っちゃうくらいの製品を生み出してるんだもん。自分の失敗なんて小さいもんだと、心が軽くなるかも!?
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『世界「失敗」製品図鑑 「攻めた失敗」20例でわかる成功への近道』
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いつでもすぐにAmazonでお買い物できるスマホ「ファイアフォン」。
いつでもすぐにFacebookにつながれる「フェイスブック ホーム」。
などなど、それって、誰得!?といいたくなるような製品が、大真面目に検討され、大々的に発表され、そして消えていった過程が紹介されています。
同じテーマの本で、デザイナーの佐藤オオキさんによる『佐藤オオキのボツ本』という本を読んだことがありました。
こちらはお仕事版「しくじり先生」といえそうな、“渾身の”ボツ案集です。
大きな業績を残している“強い”企業や人に通じているのが、失敗から学ぶリカバリー力かもしれません。
たぶん日本ではまだフィードバックの技術が発達していないので、
ダメ出しされた → 人格否定
と受け止めてしまう人も多いように思います。でも、仕事をする上で大切なのは、相手からのフィードバックではないでしょうか。
BtoC企業なら、それは消費者からの反応になるし、まだまだ新人レイヤーの人なら、一緒に仕事をしたチームの方からの褒め言葉、もしくはお叱りの言葉になるかもしれません。
『世界「失敗」製品図鑑』で紹介されている、コカ・コーラやグーグルなどの世界トップの企業家たちは、フィードバックに率直に耳を傾け、そこから学び、そして新しいチャレンジをした。
だから、いまがあるのだといえます。
「ミスターヌードル」と呼ばれた安藤百福さんは、世界初のインスタントラーメンを発明するまで、新築の家の床の間を吹き飛ばすほどの失敗をしたそう。
それでも、「失敗するとすぐに仕事を投げ出してしまうのは、泥棒に追い銭をやるのとやるのと同じだ」と語っています。
失敗の理由なんて、後出しジャンケンならいくらでも考えられます。でも、失敗から学ぶべきことは、たくさんあるはず。
失敗という絶望の淵に立った人たちのパワー。背中越しにそっとのぞける本です。
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