西岡文彦さんの『ビジネス戦略から読む美術史』を読んで、もう一度、歴史を勉強し直したいなーとワクワクが止まりません。
歴史って、ホントにおもしろいなと思いませんか?
プラトンの『国家』には「最近の若者は……」という言葉があって、ジェネレーションギャップは二千年前からあったんだなーと、なんだか笑ってしまいます。わたしごときが悩んでもムダムダと思えるような感じで。
『ビジネス戦略から読む美術史』では、技術の進化と社会の変化が、美術という芸術のあり方も変えていったことが、よく分かります。
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『ビジネス戦略から読む美術史』
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西洋美術は、聖書の物語をビジュアルで伝える役割を担っていました。そのため、描かれる場所は、教会や宮殿でした。フレスコという技法で壁や天井に直接描く「不動産絵画」だったんですね。
そこから油彩の技術が発達し、キャンバスに描かれるようになり「動産絵画」へと変化。
これは、現代でいえば、オフィスに出勤しなければ仕事ができない人と、リモートワークで十分仕事ができちゃう人との、境遇の差とのこと。
そんな「へー!」がいっぱいです。
印象派の販売戦略を立てた人物として紹介されているポール・デュラン=リュエルは、原田マハさんの小説『ジヴェルニーの食卓』にも登場します。『たゆたえども沈まず』のドイツ系ユダヤ人の画商とも接点があったのだそう。
こうしたひとつひとつの歴史の流れが、一大絵巻のように繰り広げられていくので、飽きずに一気に読むことができます。
あのダ・ビンチが、「ちくしょー! オレだって自宅で仕事してー!」と思っていたかもしれないと想像するだけで楽しい。
カシコク生きるヒントは、歴史の中にありそうですね。
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