地球史上、この本ほど、「沼」に引き込む本はあっただろうか。 万年筆好きが必ず通るインク沼。 本好きなら素通りできない特殊フォント。 ファンタジー好きが憧れる妄想商店街。 さまざまな仕掛けで、その世界に引き込まれてしまう『ツキアカリ商店街―そこは夜にだけ開く商店街』。副題には「ガラスペンでなぞる」とありますが、もちろんどんなペンで書いてもOK。 これ、めちゃくちゃハマります……。 ☆☆☆☆☆ 『ツキアカリ商店街―そこは夜にだけ開く商店街』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ 本の制作は、「少し不思議」な紙雑貨屋の「九ポ堂」さんです。もともとは活版印刷屋さんだったそう。 九ポ堂 powered by BASE わたしの中で(勝手に)活版印刷屋さんといえば、ほしおさなえさんの 『活版印刷三日月堂』 でした。もちろん、九ポ堂さんとコラボした作品も制作されています。はぁ、もう、かわいいしかない世界。 印刷博物館×活版印刷三日月堂 コラボ企画展 『ツキアカリ商店街』は、過去のグループ展イベントがきっかけで誕生した、妄想の商店街シリーズをまとめたものです。 ・ツキアカリ商店街 ・雪乃上商店街 ・でんでん商店街 ・ゾクリ町商店街 ・七色珊瑚町商店街 5つの商店街にある、48のお店と57のおはなしが「なぞり書き」できるようになっています。 (画像はAmazonより) おはなしに合わせてインクを選ぶのも楽しいですし、書体や紙自体もたくさんの種類があるので、書き味の違いも楽しめます。 設定もとても細かくて、「雪乃上商店街」は上空2000メートルのところにあるらしい。「でんでん商店街」は雨の日だけオープン。理由は、カタツムリの殻が割れちゃうかもしれないから! 書き込みながら自分だけの一冊がつくれるオリジナリティと、インクやガラスペンへのオタク愛を刺激するポイント満載の本。 なにより、妄想の世界の広がりが心地いい。 休日のリラックスタイムにお試しいただくと……沼へGo!となりますよ。