地球史上、この本ほど、「沼」に引き込む本はあっただろうか。
万年筆好きが必ず通るインク沼。
本好きなら素通りできない特殊フォント。
ファンタジー好きが憧れる妄想商店街。
さまざまな仕掛けで、その世界に引き込まれてしまう『ツキアカリ商店街―そこは夜にだけ開く商店街』。副題には「ガラスペンでなぞる」とありますが、もちろんどんなペンで書いてもOK。
これ、めちゃくちゃハマります……。
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『ツキアカリ商店街―そこは夜にだけ開く商店街』
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本の制作は、「少し不思議」な紙雑貨屋の「九ポ堂」さんです。もともとは活版印刷屋さんだったそう。
わたしの中で(勝手に)活版印刷屋さんといえば、ほしおさなえさんの『活版印刷三日月堂』でした。もちろん、九ポ堂さんとコラボした作品も制作されています。はぁ、もう、かわいいしかない世界。
『ツキアカリ商店街』は、過去のグループ展イベントがきっかけで誕生した、妄想の商店街シリーズをまとめたものです。
・ツキアカリ商店街
・雪乃上商店街
・でんでん商店街
・ゾクリ町商店街
・七色珊瑚町商店街
5つの商店街にある、48のお店と57のおはなしが「なぞり書き」できるようになっています。
(画像はAmazonより)
おはなしに合わせてインクを選ぶのも楽しいですし、書体や紙自体もたくさんの種類があるので、書き味の違いも楽しめます。
設定もとても細かくて、「雪乃上商店街」は上空2000メートルのところにあるらしい。「でんでん商店街」は雨の日だけオープン。理由は、カタツムリの殻が割れちゃうかもしれないから!
書き込みながら自分だけの一冊がつくれるオリジナリティと、インクやガラスペンへのオタク愛を刺激するポイント満載の本。
なにより、妄想の世界の広がりが心地いい。
休日のリラックスタイムにお試しいただくと……沼へGo!となりますよ。
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