天災、戦争など、自分の力ではどうにもならない出来事を前にして、無力感に襲われることがあります。
2011年3月11日もそうでした。
新宿のオフィスから新宿御苑へと避難し、自転車で麻布まで行ってダンナ氏と合流。そこから車と電車と徒歩で、なんとか帰宅しました。
「うちは、倒れずに残っているかな……」
なんて話をしながら、お互いが無事であったことに感謝し、珍しく手をつないで歩きました。
いま世界ではまた、天災や戦争が起きていて、自分の力ではどうにもならない事態に打ちひしがれる日々でした。
そんなときに、南米アンデスに伝わる「クリキンディの話」を教えてもらいました。
森が火事になったとき、ほかの動物たちは急いで逃げてしまったのですけれど、ハチドリだけが、くちばしで水のしずくを運んでいる。「何をしているの?」と聞かれたハチドリは、こう答えます。
「私は、私にできることをしているだけ」
クリキンディ=ハチドリの物語は、『ハチドリのひとしずく いま、私にできること』としてまとめられています。
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『ハチドリのひとしずく いま、私にできること』
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クリキンディの話は絵本の形になっていて、坂本龍一さんやC.W.ニコルさんのメッセージが収録されています。
著者の辻信一さんは、文化人類学者で環境運動家という方。クリキンディの話を英訳し、イラストレーターの方と打ち合わせをした際、善悪二元論にしてしまうのは違うのではないか、という指摘を受けたのだそう。
森の一大事にあたって、行動をしたのはハチドリだけだったわけですが、だからといってそれがエライわけでもない。
ハチドリ=正義
ほかの動物=悪
ではないところが、この物語に引きつけられる理由かなと思います。
鳥類の中で最も体が小さいハチドリ。小さなくちばしで運んだ水のしずくは、本当にちょびっとだったと思います。
でも、ちょびっとがたくさん集まれば、森の火事を消し止めるのに役立つかもしれない。
そう思って、今年もスタバの「ハミングバードプログラム」に参加してきました。
「ハミングバード プログラム」とは、東日本大震災をきっかけに始まった若者支援プログラム。期間中にカードで購入すると、商品代金の1%が寄付されます。
わたしは、わたしにできることをしよう。生き残った者として。
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