ヴィヴィアン・ウエストウッドに、ブラックストーンの香り。
矢沢あいさんのマンガ『NANA』に触発され、すっかり「NANA」化していた友人がいました。
ブラックストーンは煙草の中でも香りが強いので、一緒に行ったレストランで「葉巻はご遠慮ください」と止められたことも。
ひところ夢中になって読んでいた『NANA』。
衝撃的なシーンを描いた後、2009年8月号から休載が続いています。いまも待ち続けるファンを慰めてくれるのが、『ナナ&ハチ プレミアムファンブック!』です。
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『ナナ&ハチ プレミアムファンブック!』
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大阪モード学園を中退し、マンガ家となった矢沢あいさん。敬愛する「矢沢永吉」の名前からペンネームをつけたそう。
『ご近所物語』や『Paradise Kiss』など、ファッションを学ぶ高校生が主人公のマンガもありましたよね。
とはいえ、掲載されていた雑誌「りぼん」では乙女チック路線から外れていたため、掲載順は後ろの方だったのだとか。
99年に創刊された「Cookie」で発表した新作『NANA』が大ヒット。アニメ化・映画化もされました。
ストーリーは、同じ「なな」という名前を持つ、同い年の女の子が知り合うところから始まります。
東京に住む彼氏を追いかけて新幹線に乗った小松奈々と、ミュージシャンとして成功するために東京に向かう大崎ナナ。席が隣り合わせになり、大いに盛り上がります。東京で再び出会ったふたりは同居生活をすることに。
その後、ナナのバンド仲間と仲良くなり、ナナのむかしのバンド仲間が登場し、といった感じで輪が広がっていきます。
「誰かと誰かがヤッたことに泣いて、誰かと誰かはヤッてくれないことに泣く話」
とまとめてくれた友人もいましたが、まぁ、そういうところもあったかも。
いまあらためて考えてみると、「奈々」は不思議なキャラクターだったなと思います。見事なくらいに「からっぽ」なんですよね。仲のいい友だちが行くから専門学校に進学し、友だちが東京の芸大を受けるから自分も行きたいと言い出し、彼氏が東京に行ってしまったから、自分も上京する。
ナナと知り合った後も、確固たる夢をもっているナナとは違い、「奈々」は応援するだけ。
というか、次々に恋をしているだけ。
その「からっぽ」さが、「ナナ」というトゲトゲした孤独な人間と寄り添えた理由なのかもしれません。「奈々」が旧時代の男性からみた理想の女性だとすると、「ナナ」は現代の女性が憧れるキャラクターといえるかも。
「奈々」のからっぽさを愛し、犬のように懐いてくる姿をみて、「ナナ」は「ハチ」と呼び始めます。
『プレミアムファンブック!』のタイトルである『ナナ&ハチ』は、そこから付いた名前です。各キャラクターのプロフィールや、作品に登場する小物が紹介されていて、世界にドップリ浸れます。
調布にある、あのお店の情報も掲載されていますよ。
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