質問は「投げない」でください。
コミュニケーションは、キャッチボールであって、ぶつけ合いのドッジボールじゃないから。
社内の勉強会を開催するたび、メンバーにそう話していました。何気ない言葉遣いでも、そこに想いはのってしまうから、もっとひとつひとつの「対話」を大事にしてほしい。
そんなことをずっと考えていて、わたし自身は、いま「聴く」トレーニングをしています。
「聴く」スキルは、コーチングの中でも大きなウエイトを占めています。ので、これができないと「いいコーチ」にはなれないといえるくらい重要なものです。
「コーチング」という名前を聞いたことがある人は増えたようですが、具体的にどんなことをするものなのか、知らない人も多いかもしれません。
わたしは、「自分が応援したい人を、応援するためのコミュニケーションスキル」と呼んでいます(コーチの受け売り)。
「聴く」ことや、「対話」に関心があるなら、伊藤守さんの『こころの対話 25のルール』がおすすめです。
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『こころの対話 25のルール』
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伊藤守さんは、日本で初めてコーチングプログラムを開始した方です。略歴がnoteにまとまっていました。
本には、わたしたちが驚くほどに「聞かれていない」ことが描かれています。誰かと会話していても、
(次に何を話そうかな……)
と思ったり、
(あ、その話ならわたしの方がよく知ってる……)
と考えていたりして、「順番に」話しているだけ。ひとつずつのコミュニケーションは、「未完了」として、こころの中に積み残され、痛みや苦しみを引き起こす元になっているのです。
こうした「コミュニケーションの未完了」が、ぶつけ合いのドッジボールにたとえられています。
ユン・ガウン監督の映画「わたしたち」は、ドッジボールのシーンで始まり、ドッジボールのシーンで終わります。これが、まさに「コミュニケーションの未完了」を表していて、印象的でした。
「聴く」スキルには、いま注目が集まっているようで、書店に行ってもたくさんの本が並んでいます。その中でも、基本を知るなら、この本がおすすめです。
まずは、「自分は聞くのが得意だし」と思っている方の誤解を解きたい。「聴く」って、ぜんぜん受け身な行為じゃないですし、むしろ、自分も相手も豊かにしてくれるものなのです。
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