「あの子は有名人になることでしょう……伝説の人に」
“フツー”の家庭に預けられることになった幼いハリーに対して、マクゴナガル教授は、そう語りました。この時は、ハリーの行く末を信じつつも案じていたのですが、結局は予言通りになりましたね。
ハリー・ポッター。
小さな男の子の登場は、ファンタジーを受容する層を広げ、史上最も売れたシリーズ作品となりました。
全7巻の世界は、それぞれ映画化もされています。順番はこちら。
第2巻『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
第3巻『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
第4巻『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
第5巻『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
第6巻『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
第7巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』
J.K.ローリングはアイディアを思いついた時点で、全7巻とすることを決めていたそうですが、正直に言って。
物語としては第3巻までが抜群にまとまっていたし、中でも第1巻の「伏線」は、抜群に効果を発揮していたと思います。
☆☆☆☆☆
『ハリー・ポッターと賢者の石』
☆☆☆☆☆
「ハリー・ポッター」シリーズのストーリー自体は、古くからある物語の形式なんですよね。両親を亡くし、親類の家でいじめられながら育った子が、本来の自分を取り戻し、成長する。
それがこれほどまでに魅力的な物語になっているのは、ハグリッドが飼っている幻の動物や、ハリーがスター選手として活躍する魔法界のスポーツ「クディッチ」といった、サブストーリーにあったのではないかと思います。
荻原規子さんは『グリフィンとお茶を』の中で、『黄金の羅針盤』シリーズについてこう語っています。
これ、そのままJ.K.ローリングにも当てはまりそう……。
第4巻以下は、日本語版で上下巻というボリューミーな本となり、価格的にも「児童書」と呼べるモノではなくなりました。物語が複雑になったため、伏線の効果も薄まってしまったように感じます。
それでも第7巻までいくと、第1巻にすべてが詰まっていたことが明らかになるので、壮大な物語だったなーという感動は大。
もともとはJ.K.ローリングが1990年に、マンチェスターからロンドンに向かう列車の中で思いついたといわれています。
生活に追われながら、メモ書きを靴箱に溜め込んでいたんだそう。
その草稿や、校正メモの入った原稿が、「ハリー・ポッターと魔法の歴史展」で展示されています。
スコットランドのエジンバラに行った時は、旧市街にある「エレファントカフェ」にも行きました。なんと、昨年の夏に火事で閉鎖されちゃったそうですが……。
マクゴナガル教授の言葉は現実となり、伝説的な人気を誇るハリー・ポッター。作者本人は別件で炎上を繰り返しているし、聖地はなくなっちゃったけれど。
わたしにとってはファンタジーの魅力を再発見できた本でした。読書は最高のエンタメなのです。
2020年には、映画の公開20周年を記念した4D映画も観に行ちゃった。ラドクリフくんの初々しさは国宝級ですね。
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