赤いジャージにジャケットを着て、高層ビルをにらめつける女性。
明け方のコインランドリーで読書をする知的な女性。
彼女の正体は……弁護士!
お金のためなら何をしてでも勝利をもぎとるという型破りで規格外の弁護士に夢中になったのが、ドラマ「ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-」でした。
☆☆☆☆☆
ドラマ「ハイエナ」
Netflixサイト:https://www.netflix.com/title/81177545
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韓国のSBSで2020年2月21日から放送されたこのドラマ。地上波の放送局だって負けてないぞという意地を感じさせてくれます。
演出は「星から来たあなた」「根の深い木」「銭の戦争」など、多くのヒット作品を生み出しているチャン・テユ監督。そこに、シナリオコンクールで優秀賞を獲得した新人脚本家キム・ルリというコンビの作品です。特に第1話のスピード感と、逆転劇は最高でした。
「あ!」
って声がでちゃった。
バックグラウンド、性格、人生の目標。まったくタイプの違う2人の弁護士が、それぞれのプライドをかけて戦うサバイバルドラマです。
時には泥臭く、時にはエレガントに真相に迫る弁護士グムジャを演じたのは、キム・ヘス。映画「国家が破産する日」でみせたクールな姿とは一転して、コミカルな演技も披露しています。なによりセクシー!
一方のお坊ちゃまエリート弁護士のヒジェを演じたのは、いま韓国の演劇界で引っ張りだこというチュ・ジフン。「神と共に」シリーズや「工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男」で一躍日本でも人気俳優になりましたね。
チュ・ジフンを観るなら、Netflixオリジナルシリーズの「キングダム」もおすすめ。
祖父は元最高裁判所長官、父は現職の部長判事、兄は現役判事という法曹一家に育った、エリート弁護士のヒジェ。法律家として最高の名誉を得ることを目標にしていますが、要するに「かっこつけ」なんですよね。ドラマのオープニングは、そんな彼の性格をよく表していました。
そんなヒジェが明け方のコインランドリーで出会った女性に惹かれ、ふたりは激しい恋に落ちる……ところまではよかったんだけど。
クールに決めていたのに、まんまと利用されてキャラ崩壊。そんな姿が痛快愉快でした。彼のいいところは、お坊ちゃまだけど、ちゃんと(?)優秀なところです。
独立独歩で仕事をするのが好きだったヒジェが、まさかのパートナーと組むことになり、チームワークを学んでいく。アメリカのドラマ「SUITS/スーツ」のようなスタイリッシュさがありながら、韓国ならではの財閥の横暴や、虐待、トラウマといった要素を取り入れた斬新な構成です。
そして、韓国文学界で台頭したフェミニズムの波は、近年のドラマにも感じるんですよね。「ハイエナ」でもやはり、“女だから”と相手にされない陣営が……。
緊迫したオセロゲームのような逆転劇が楽しめるドラマです。
ドラマ「ハイエナ」 SBS 全16話(2020年)
監督:チャン・テユ
脚本:キム・ルリ
出演:キム・ヘス、チュ・ジフン、イ・ギョンヨン、キム・ホジョン、ソン・ヨンギュ、チョン・ソクホ、ヒョン・ボンシク、パク・セジン、チョン・ジファン
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