とにかくおいしそうなのですよ。肉の焼けるジュージューという音も、脂の垂れる様子も、かたまり肉も、すべてが胃袋を刺激する。モワーッとした煙に包まれたくなってしまう。
Netflixで配信中のドキュメンタリー「豚バラ賛歌」は、夜中に観てはいけない番組です。
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ドキュメンタリー「豚バラ賛歌」
https://www.netflix.com/title/81347666
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「冷麺賛歌」と同じく、案内人はペク・ジョンウォンという料理研究家です。BTSの番組がきっかけでペク先生にハマったという方もいるのだそう。いまの時代、海外の文化と出会う入り口が、いっぱいあっていいですよね。
「豚バラ」は、韓国語で「サムギョプサル」と呼びます。日本でいう「三枚肉」のことなんですが、むかしは冷凍肉を薄く切って出すことが多かったように思います。それが「生サムギョプサル」が登場し、「ワインサムギョプサル」などの“凝った”食べ方も増えてきました。
こうした流れは、肉の保存法や調理器具の発展があったそうです。
卓上のカセットコンロが普及したことで、広まった「サムギョプサル」文化。日本語に「同じ釜の飯を食う」という言葉がありますが、韓国語だと「同じ鉄板の肉を食う」になるのかなと思うくらい、コミュニケーションの弾む料理なのです。
「賢い医師生活」のシーズン2で、ソンファの誕生日にイクジュンがプレゼントしていたのが、サムギョプサルの鉄板。あれはプレーンなものでしたが、テニスのラケット型なんてものもあるそう。
2016年には、韓国国内の豚の生産量が米を上回ったとのこと。どんだけ豚が好きやねんと思いますが、たしかに、日本なら牛肉、韓国なら豚肉の方がおいしいなーと思います。もしかして、今はチキンの方が多いかもしれないですね……。
ただ、ペク先生は「おいしいのはバラ肉だけじゃない!」と、他の部位の魅力についても語っておられて、豚バラだけが消費される現状に警鐘を鳴らす番組にもなっています。
韓国に留学していた頃、下宿のアジュンマ(おばさん)がよく山に連れて行ってくれました。畑の真ん中で「サムギョプサル」を焼くんです。すごーく良く言えば、キャンプみたいなもの。ただし、ホントの山の中で、なぜそんなとこまで行くのかは、よく分からなかったのですが。
この「サムギョプサル」ツアーには、韓国人学生は誘われなかったので、唯一の留学生だったわたしに気を使ってくれた旅行だったのだと思います。
よく一緒に行っていた先輩(隣の下宿の日本人留学生でアジュンマと仲が良かった)は、「お肉を食べた後は冷麺が食べたくなる」という人で、お腹いっぱい豚を食べ、ソウルに戻ってから冷麺屋さんに連れて行かれるという日々でした。
いまだに、「サムギョプサル」と「冷麺」は、わたしの中でセットになっている食べ物です。
「韓国のおいしいを探訪」というNetflixのオリジナルシリーズ。とても罪な番組ですよ。もう、食べたいしかないのです。
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