怒りを暴走させても、誰も幸せになれない。
分かっていても止められないのが暴走状態なわけで、一番苦しいのは「自分」なんですよね。
誰もが「幸せになりたい」と思いながら生きているのに、なぜ世の中はこんなにもやさしくないんだろう。
「やり直す」ことを選ぶのは、なんて難しいことなんだろう。
なんてことを、コ・ヒョンジョンとシン・ヒョンビン主演のドラマ「あなたに似た人」を観ながら、ずっと考えていました。
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ドラマ「あなたに似た人」
https://www.netflix.com/title/81473219
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チョン・ヒジュは、娘が学校で教師から暴力を受けたという連絡を受け取る。そこで出会ったのは、かつての友人で、自分に絵を教えてくれたヘウォンだった。彼女が意図的に近づいてきたのではないかと疑うが……。
ミス・コリアで第2位となり、俳優としてデビューしたコ・ヒョンジョン。
常に勝ち気で、凜として、傲慢なほどゴージャスな役を演じてきました。わたしは「善徳女王」のミシル役ですっかりファンになりました。「レディプレジデント〜大物」の大統領姿も好き。
そんなコ・ヒョンジョン演じるチョン・ヒジュは、貧乏なDV家庭で苦労して育ち、お金持ちの夫と結婚して、いまでは画家として活躍しているという“成り上がり”な役柄です。
(画像はNetflixより)
ヒジュを不幸にするのが目的、と語る、かつての友人ク・ヘウォンを演じるのはシン・ヒョンビン。「賢い医師生活」のギョウル先生は、空気は読めないけど一所懸命でかわいかったのに。
あのキョトン顔で毒を吐きまくるのです。
(画像はNetflixより)
ヘウォンの夫ソ・ウジェは長く行方不明になっていて、ようやく発見した時には、むかしの記憶を失っていました。
いったい彼に何があったのか。
年齢差はありつつも、仲良しだったヒジュとヘウォンは、なぜ対立するようになったのか。
過去が明らかになった時、久しぶりに「マクチャンドラマ」の面影を見たように思いました……。
「マクチャンドラマ」とは、非現実的なことが頻発して、展開に行き詰ったようなドラマのことです。韓国ドラマあるあるの「記憶喪失・交通事故死・出生の秘密・不治の病」なんかが、それですね。
ヘウォンに追い詰められ、やつれていくヒジュ。コ・ヒョンジョンは美しく、気高い姿が特徴だったのに。
姑にいびられ、オドオド。義姉の目をうかがって、オドオド。いつピシャリと出てくるのかと、こちらもドキドキ。
この義姉を演じているのが、チャン・へジン。映画「パラサイト」で、半地下家族のママを演じていた方です。彼女の家庭にも問題があり、外科医である彼女も復讐を遂げるのか……というシーンは、ホントに緊迫していました。
(画像はKMDbより)
もうその辺りでやめとけー、やめとけーと念じてしまったくらいの展開は、久しぶりに味わったように思います。
ドラマは、湖に“なにか”を投げ込み、「まだ地獄ではない」とつぶやくヒジュの独白で始まります。オープニングを思い出し、またまたゾッとしました。
「あなたに似た人」のユ・ボラ脚本家って、「秘密」などの、ある意味“正統派”のメロドラマを作ってきた方だったんですね。
「幸せになりたい」と願うとき、決め手になるのは「許し」かもしれません。自分を傷つけた相手を許すことは、過去の自分を許すことにもつながるから。
ドラマ「あなたに似た人」jtbc 全16話(2021年)
監督:イム・ヒョヌク
脚本:ユ・ボラ
出演:コ・ヒョンジョン、シン・ヒョンビン、キム・ジェヨン、チェ・ウォニョン、キム・ボヨン、チャン・ヘジン、キム・ホジョン、シン・ドンウク、キム・サンホ
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