K-POPや韓国ドラマの流行で、またもや韓国語学習熱は高まっているのかな……と思いきや。友人が申し込んだ初心者クラスは、定員割れで開講しなくなったそうです。
いまどきは、教室に「通う」人が減っているのでしょうか。
YouTubeや書籍など、外国語を学ぶ手段は飛躍的に増えました。ホント、むかしのことを考えたらウソみたいに幸せな環境だと思います……。
韓国語は日本語と文法が似ているため、英語や中国語よりもとっつきやすい言語だといわれています。
ただ、悩ましいのが単語の「使い分け」。
日本語の通りに考えていると、ちょっと違和感のある表現になってしまったり、失礼になってしまったり。
その辺りは背景となっている文化を知ることが大切なのだと思います。
そんな韓国語の学習者におすすめなのが、鄭玄実(ちょん・ひょんしる)さんの『韓国人はアンニョンハセヨとは言わない!?』です。
☆☆☆☆☆
『韓国人はアンニョンハセヨとは言わない!?』
☆☆☆☆☆
韓国ドラマ好きの先輩は、韓国語は分からないけど「オッパ(お兄さん)」や、「ヨボセヨ(もしもし)」といった単語はよく知っていました。
たしかに韓国語の学習本には、
こんにちは=アンニョンハセヨ
と載っています。そして、これは時間に関係なく使えます。「おはよう」も、「こんばんは」も、全部「アンニョンハセヨ」。
だけど、朝会った人に、「アンニョンハセヨ」とは言わないんです……。
なんやそれ!?ですよね。
「アンニョンハセヨ」は、漢字で書くと、「安寧ですか」となります。つまりニュアンスとしては「お元気ですよね」に近い。一昨日会って、昨日会って、今日も会った人に「お元気ですよね」と問いかけるのは、ちょっとヘン。
「いや、毎日会ってるやん!!」というわけです。
じゃあ、代わりになんと言うかというと、最近のドラマでは「チョウン アッチム~」と言っていることが多いです。これは「いい朝ですね=good morning」という意味。10年ほど前のドラマでは、姑に「よくお休みになれましたか?」とあいさつしていました。
本には、特に家族には使わないとありましたが、ビジネスシーンでもあまり見なくなった気がします。他にも、社員の呼称などに社会の変化を感じています。
そこからもう一歩進んで、言葉のニュアンスを支える文化と変化を知ることのできる一冊です。
著者の鄭玄実(ちょん・ひょんしる)さんは、子どものころに聞いた民話を集めた書『民話で知る韓国』も出されています。こちらもおすすめ。
コメント
コメントを投稿